脚の骨の構造を知るとランニングに役立つ!腸腰筋も使いやすくなる!

ランニングフォーム

前回の骨盤の話に続き、脚の骨の話を書いていきます。

今回は主に大腿骨と膝蓋骨、脛骨と腓骨の話になります。

大腿骨は腸腰筋の停止する骨です。

腸腰筋が大事とよくいわれますが、腸腰筋を使うイメージはできていますか?

さらに脚のどこに体重を通すのかということも骨格がイメージできると、ランニングがとても捗るので参考にしてみてください。

大腿骨

まずは大腿骨の話からです。大腿骨は人の身体の中でもっとも長い骨です。

骨盤と関節する

大腿骨は上端部の大腿骨頭という部分が、骨盤寛骨臼と股関節を作ります。

大腿骨頭の中央にはくぼみがあり、ここに大腿骨頭靭帯がついています。

大腿骨はまっすぐではない

大腿骨頭から外下方に続くすこし細くくびれた部分を大腿骨頸といいます。

この大腿骨頸の軸は大腿骨の体部に対して120〜130度の角度があります。

この角度を頸体角といいます。子供の頃はこの角度が大きく高齢者になるほどこの角度は小さくなります。

また、大腿骨は少し前方凸に湾曲しています。反っている部分はストレスがかかるため大腿骨の疲労骨折もめずらしくありません。

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お尻の横らへんで触れるのは大腿骨の大転子という部分

お尻に手を当てて、そのまま横から前の方に手を滑らせる途中で固い出っ張りがあると思います。

それは大転子といって大腿骨の一部です。大腿骨頸のすぐ下方にあります。

大転子には中、小殿筋、梨状筋がつきます。

小転子に腸腰筋が着く

大転子は上端部の外上方にありますが、内下方には小転子という部分があります。

この小転子に腸腰筋が停止します。

腸腰筋は腸骨筋と大腰筋(小腰筋も)を合わせた筋肉で、股関節の屈曲(太ももをあげる動作)に作用します。

 

腸腰筋を意識するなら、椅子に座った状態からさらに膝をあげるようにしてみてください。

さらにそのときに、小転子(太ももの付け根のやや内側)を引き上げるように意識してみましょう。

腸腰筋は股関節90度以上での屈曲で特に働くといわれています。

 

大転子と小転子を結ぶ線状の隆起が前面と後面のそれぞれに存在します。

前面の隆起を転子間線といい、後面の隆起を転子間稜といいます。それぞれ、腸骨大腿靭帯と大腿方形筋が停止します。

大腿骨の後面は筋肉が多く付着する

大腿骨の後面はいろんな筋肉がつくのでザラザラした部分があります。

これを粗線といい、内側の内側唇と外側の外側唇に区別されます。

 

内側唇には内転筋群が停止し、大腿四頭筋の一部の内側広筋が起始します。

外側唇には外側広筋が起始するほか、上方は殿筋粗面となり大殿筋が停止します。

大殿筋を使うイメージを持つには、うつ伏せ膝を曲げ股関節を伸展するときに大殿筋の停止部である殿筋粗面(太ももの後方の上外側)を意識してみましょう。

大腿骨は下方で膝蓋骨と脛骨と関節する

大腿骨の下端部は内側と外側で大きく膨らみ内側顆外側顆をつくります。

これらはスネの骨の脛骨と関節します。内側上顆と外側上顆の間は凹んでいて膝蓋面といいます。ここに膝のお皿の骨である膝蓋骨が関節します。

内側顆と外側顆の側面から突出する部分は内側上顆、外側上顆と呼ばれ、内側上顆には大内転筋が停止します。

脛骨と腓骨

スネやふくらはぎの部分の骨は2本あるのをご存知ですか?

内側にあるのが脛骨です。俗に言う弁慶の泣き所です。

それとは別に、外側にも腓骨という骨があります。

脛骨は太く大きいため荷重に適しています。

一方、腓骨は細い骨なので本来荷重に適していません。

なので、脛骨に体重を通すようにすると効率がいいですね。歩くときや走るときには内側の脛骨を意識してみましょう。

ちなみに内くるぶしは脛骨の一部、外くるぶしは腓骨の一部です。

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脛骨

脛骨は下腿の内側にあります。

上端部は内側と外側で大きくなっていて、それぞれ内側顆、外側顆といいます。

この部分の上面で大腿骨と関節しています

前十字靭帯、後十字靭帯が付着する

内側顆と外側顆の関節面の間には顆間隆起という隆起があります。

この顆間隆起の先端は二分していて内側顆間結節、外側顆間結節といいます。

これらの前後にやや凹んだ部分があり、そこを前顆間区、後顆間区といい前十字靭帯後十字靭帯が付着します。

外側顆の後方で腓骨と関節する

脛骨の外側顆の後方には腓骨関節面という部分があり、ここで腓骨と関節します。(脛腓関節)

脛骨と腓骨が関節するのはここだけです。

それぞれの骨の中央部下腿骨幹膜という膜でつながっていますし、下端部靭帯でくっついています。

ちなみに下腿骨幹膜の後面からは、シンスプリントに関係するといわれる後脛骨筋が起始しています。

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脛骨と腓骨の下端部と距骨で距腿関節をつくる

脛骨と腓骨は下端部で靭帯によって結合しています。

内くるぶし(内果)と外くるぶし(外果)は下方に突出しているので、中央が凹んでいるような構造になります。

この凹んだところに足の骨の距骨という骨がはまり込むように関節します。ここが距腿関節(足関節)です。

まとめ

大腿骨は股関節周りの重要な筋肉がたくさん付着する!

腸腰筋は太ももの付け根の内側に付着する!

脛骨に体重を通す意識を!

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