ランニングをすることで骨が強くなるという話は一度は聞いたことがあると思います。それは事実です。
ですが今回は、「過度」のランニングはかえって骨粗鬆症を引き起こしかねないということを書いていきます。強くなるには練習は不可欠ですが、こういうリスクもあることを知識として持っておくと役に立つかもしれません。
目次
過度のランニングが骨粗鬆症を引き起こす理由
なぜ過度のランニングが骨粗鬆症につながるのか簡単に説明します。
過度のランニング
↓
体脂肪の減少
↓
月経異常
↓
ホルモンバランス悪化
↓
骨粗鬆症
という流れになります。
過度のランニングが体脂肪の減少につながることはイメージしやすいと思います。そこから下の流れは各項目ごとにもう少し説明していきます。
体脂肪の減少が月経異常を引き起こす
体脂肪が少ないと、体が妊娠できる状態ではないと判断し生殖機能が低下し月経に影響します。
また女性ホルモンといわれるエストロジェンとプロジェステロンはステロイドホルモンです。ステロイドホルモンとはコレステロールという脂肪を材料にして作られるホルモンです。
材料となる脂肪が少なければ女性ホルモンの産生に影響が出てくることもイメージしやすいと思います。
月経異常とホルモンバランスの悪化
本来なら月経出血後に、脳の下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンによって卵胞の成熟が促進されます。この卵胞が成熟するとエストロジェンを分泌します。エストロジェンは子宮内膜の肥厚などに作用します。
他にもエストロジェンは骨に対しての作用もあります。骨に対しては、骨吸収の抑制、骨形成の促進などに作用します。
月経異常によってエストロジェンの分泌が低下すれば、これらの骨に関する作用もなくなります。
ホルモンバランスの悪化と骨粗鬆症
月経異常によりエストロジェンの分泌が低下することで、骨吸収されやすく、骨形成されにくいという骨の強度を保つのに不利な状況になるのです。
高齢者の閉経した女性の骨粗鬆症が多いのもこのことが関係しているといわれています。
骨はもともと吸収(破壊)と形成の新陳代謝を常に繰り返しています。このバランスをうまく保てているうちはいいのですが、骨吸収が促進して骨形成が追いつかないようになってしまうと骨粗鬆症のように骨が弱くなってしまうというわけです。
ちなみに
女性ホルモンといわれるエストロジェンですが、男性でも少量ですが分泌しています。男性はテストステロンというホルモンからエストロジェンを作り出すことができます。
60代以降の男女のエストロジェン量を比較すると男性の方が若干多いともいわれており、同じ高齢者でも骨粗鬆症の発症に男女差があるのはこのことが影響していると考えられます。
まとめ
過度のランニング
↓
体脂肪の減少
↓
月経異常
↓
ホルモンバランス悪化
↓
骨粗鬆症
ストイックに追い込んでいる女性ランナーは知識として知っておくといいですね。