ランニング障害で損傷した筋肉はどうやって治るの?修復の仕組みを解説

ランニング障害

肉離れなどで損傷してしまった筋肉はどのようにして修復されていくのでしょうか。

今回は筋肉の修復についてかんたんに説明していきます。

参考にしてみてください。

筋衛星細胞(骨格筋サテライト細胞)による修復

筋肉の修復には筋衛星細胞が関与します。

 

筋衛星細胞は筋形質膜と基底膜の間にある細胞です。普段は眠っている状態ですが、成長期や筋肉が損傷したときに活性化します。

 

活性化した筋衛星細胞は、筋線維に癒合して筋肥大したり、新たな筋線維を再生したりします。

筋衛星細胞は分裂には限度がある

再生に関与する筋衛星細胞ですが、その分裂には限度があります

 

そのため、あまりにも損傷部が大きすぎる場合には、ある程度は再生しても完全な回復はできません。

筋損傷の修復の過程

まず大雑把に説明すると次のような過程があります。

①筋線維の壊死
②壊死物質の清掃
③筋衛星細胞の活性化
④神経支配の分化

それぞれ少し掘り下げて説明します。

筋線維の壊死

肉離れなどのように筋線維が損傷すると、筋線維は壊死に陥ります。

壊死物質の清掃

壊死した筋線維は、タンパク分解酵素によって細分化されていきます。

 

また、血流によって運ばれてきたマクロファージに取り込まれます。

 

壊死細胞の周辺はマクロファージが集積し、壊死した線維は貪食されます。

筋衛星細胞の活性化

筋線維が壊死したおよそ24時間後から、筋衛星細胞は分裂を始めます。

 

筋衛星細胞は増殖、分化し再生筋芽細胞になり、再生線維を作ります。筋衛星細胞の増殖には血流が十分供給されている必要があります。

神経支配と分化

筋線維が壊死してからおよそ72時間後くらいに小さな再生線が多数出現します。

 

その後、再生線維は太さが大きくなり、さらに神経の再支配を受けるようになります。このようにして筋線維の再生は完了します。

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筋損傷の原因分類

筋肉の損傷の原因を分類します。肉離れ以外にも以下のようにして筋肉は損傷されます。

 

①筋線維の正常な伸長範囲を超えた場合(これがいわゆる肉離れです)

筋に圧迫力が働いた場合(いわゆる筋挫傷)

大きな負荷に対する急激な収縮が起こった場合

反復荷重が加わった場合(長距離ランナーにはこれが多い)

持続的な筋緊張状態におかれた場合

持続的な筋伸長状態におかれた場合

激しい運動による場合

 

とくに遠心性収縮の運動のあとが筋損傷は大きいといわれています。

 

遠心性収縮は高い負荷をかけられる≒トレーニング効果が大きいですが、その分、損傷した筋肉を回復させてあげる時間も必要ですね。

 

もちろん遠心性収縮以外のトレーニングでも休憩は大事です。

まとめ

筋の再生は筋衛星細胞の分裂による

しかし限度がある。あまりに大きい損傷は完全修復できない

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