サイトカインとは、細胞が分泌する生理活性物質のひとつです。
細胞が分泌する生理活性物質のうち、免疫グロブリン以外のものをいいます。
サイトカインはタンパク質、あるいは糖タンパク質でできています。
現在までに30種類以上が確認されています。
サイトカインの中でも、リンパ球が産出するものをリンフォカインといいます。
同じサイトカインでも、標的細胞によって機能が異なるのが特徴です。
今回は、代表的なサイトカインの名称とはたらきをかんたんに書いていきます。
目次
主なはたらき
かんたんにいうと、生体の細胞間の連絡や作用に関与するのがサイトカインです。
イメージ的には神経や内分泌系のような感じで、サイトカインを通してさまざま役割があります。
インターロイキン(IL)
リンパ球自身が産生し、リンパ球に働きかける液性因子です。
リンパ球の間に働く物質の呼称です。インターロイキン1から34まで確認されています。
ちなみにThリンパ球(ヘルパーT)が産生するサイトカインの違いによりTh1とTh2リンパ球に分けられます。
インターロイキン1はマクロファージの貪食作用を高めます。
インターロイキン2はTリンパ球、Bリンパ球を増殖させます。
インターロイキン3と7は幹細胞の増殖。
インターロイキン4、5、6はBリンパ球の分化と増殖。
インターロイキン8は好中球の増殖と遊走に働きます。
インターフェロン(IFN)
ウイルス感染細胞に抵抗性を持たせる物質です。
IFN-α、β、γの3種類があります。
IFN-γはマクロファージに作用して、強い貪食力を発揮させます。
ウイルス性肝炎や悪性腫瘍の治療に使用されます。
各種増殖因子
広義のサイトカインで代表的なものを書いていきます。
上皮細胞成長因子(EGF)
消化管粘膜上皮、唾液腺、腎臓などで産出されます。
細胞増殖促進作用があります。
一方で腫瘍のプロモーター(促進因子)としての作用もあります。
血小板由来増殖因子(PDGF)
血小板、血管内皮細胞などで産生されます。
細胞増殖や細胞遊走促進作用があります。
線維芽細胞増殖因子(FGF)
線維芽細胞、血管内皮細胞に対する増殖作用があります。
9種類あります。
インスリン様増殖因子(IGF)
インスリン受容体と似た受容体を持ちます。
各種細胞の分化機能発現促進に作用します。
コロニー刺激因子(CSF)
好中球の増殖、マクロファージの増殖、好中球とマクロファージ両方の増殖を起こす3種類が存在します。
まとめ
サイトカインは細胞が分泌する免疫グロブリン以外のタンパク質
サイトカインを通して連絡したり、作用を発揮する
免疫や細胞増殖に関与するものもある