筋肉を効率よく作るために運動後30分以内に速やかにタンパク質を摂取しましょう。なんてよく言いますよね。
ランナーのみなさんなら一度はこのようなお話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、研究によると長期的にみると30分以内にタンパク質摂取をしても数時間後に摂取しても大きく変わらないといわれています。
目次
なぜトレーニング後30分以内のタンパク質摂取がいいといわれてきたのか
一般的によく耳にする説は、運動をすることで成長ホルモンが分泌されるからというものではないでしょうか。
そもそも成長ホルモンとは
成長ホルモンとは、下垂体前葉から放出されるホルモンのひとつです。
まず、運動、睡眠、低血糖などの状態になると視床下部から「成長ホルモンを放出させるためのホルモン」が分泌されます。その結果、下垂体前葉から成長ホルモンが放出されます。
主な作用として、成長促進作用、血糖値上昇、血中遊離脂肪酸増加があります。厳密にいうと成長促進作用は、成長ホルモン自体にはなく、成長ホルモンが肝臓に作用することで合成・分泌される因子によります。
成長ホルモンの分泌を抑制しても筋肥大する
成長ホルモンが分泌されることで筋肥大が進むと思われていましたがそれは違うようです。成長ホルモンを分泌できないようにしても、筋肥大が認められました。
食後30分以内でも数時間後でも大差ない
成長ホルモンも分泌されていなくても筋肥大が認められるとなると、運動後にこだわる理由があまりありません。
冒頭にも書いたように、運動後30分以内だろうが数時間後だろうがタンパク質を摂取するタイミングは関係ないという研究結果もあります。
とにかく必要量を摂取することが大事
時間は関係ありませんが必要とされるタンパク質はしっかりと補給していきましょう。
タンパク質自体は筋肉の材料なので、材料がないことには筋肉を修復することができませんからね。1日のタンパク質摂取量が同じなら筋肉の増加に有意な差はないともいわれています。
糖質は早めに補給するといい
タンパク質の摂取に関しては、時間はあまり関係ないことは説明してきました。
逆に運動後なるべく早く摂取しておくといいものは糖質です。
エネルギー枯渇状態では筋肉が分解して糖を作ろうとする
激しいトレーニングの後では、糖質が不足しています。
糖質は脳のエネルギー源です。糖質が不足すると、脳の機能を保つためにあらゆる手段で糖質を作り出そうとします。その一つの手段が筋肉を分解して糖を作るというものです。
大事な筋肉を守るためにも、トレーニング後には速やかに糖質を補給することが重要です。
ちなみに固形物よりもゼリー、ドリンクのような液体のものがオススメです。液体状のものは固形物のものよりも消化・吸収にかかるエネルギーを節約できるので効率がいいのです。レース中のエネルギー補給もゼリー状のものがいいですね。
まとめ
トレーニング後のたんぱく質摂取に時間制限は関係ない
時間より摂取量のほうが大事
糖質は運動後速やかに摂取しよう