ランニングをしていてスネの外側が痛くなることはありませんか?
そこまで我慢できない激痛ってわけではないし、走るのやめたら楽になる。このような症状はコンパートメント症候群かもしれません。
今回はコンパートメント症候群について書いていきます。参考にしてみてください。
目次
コンパートメント症候群とは
コンパートメント症候群は日本語にすると「区画症候群」もしくは「筋区画症候群」ともいわれます。
原因
脚の筋肉は、骨や筋膜などによって区切られ、その区切られた空間を区画といいます。その区画には筋肉のほか、神経、血管が通ることもあります。
コンパートメント症候群はこの区画の内圧が上昇し、神経や血管を圧迫し循環障害が起こることで痛みが発生するものです。
スネの前が痛くなる理由
ランニングではスネの前(前脛骨筋)の部分がよく痛くなります。
この部分は下腿の前方区画といわれるところで、コンパートメント症候群の好発部位です。前方区画は区画を構成するそれぞれの膜の伸展性が少なく強固なため、内圧が上昇しやすいです。
ランニングで発生するのは慢性型
コンパートメント症候群は急性型と慢性型があります。ランニングで発生するのは慢性型です。
慢性型は繰り返しの外力によるもので、ランニング、投球動作など筋活動の反復動作で発生します。
急性型は一撃の外力などにより区画が圧迫されて発生するものです。具体的には、骨折、打撲などによる筋損傷、ギブスや包帯による圧迫、重量物の下敷き、動脈損傷(出血による区画内圧上昇)などがあります。
症状
ランニングで多い慢性型は、運動時の痛みや下腿部の緊張感があります。
急性型は危険なので注意が必要です。筋の腫脹、ギプスや包帯の圧迫によって区画内圧が上昇すると動脈が圧迫されて組織の循環障害を起こします。血行が障害されると酸素や栄養を運べなくなり、最悪の場合筋肉が壊死します。
急性型はギプス、包帯の固定中に発生することがあります。固定中に皮膚の色がおかしい(蒼白)疼痛、感覚異常、運動障害(動かせない)などの症状があればすぐに病院に連絡して固定を外すようにしましょう。
対策
ランニングに多い慢性型は運動を中止し、安静にしていれば症状は回復します。またランニングフォームも重要です。
足首(足関節)をそんなに使わない
足首をよく使って地面を蹴る走り方は控えましょう。足首を動かす(特に背屈)と前脛骨筋を使います。前脛骨筋がよく使われるとその筋収縮の反復によって区画内圧が上昇します。
足首を使うのではなく、股関節を意識して脚全体を動かしましょう。
足の指をリラックスする
足の指もリラックスしましょう。足の指を伸ばす筋肉の長母趾伸筋、長趾伸筋も前脛骨筋と同じ区画にあります。これらの筋をリラックスさせることで区画内圧の上昇を防ぎましょう。
急性型は病院へ
急性型は先ほど書いたように、病院に連絡してギプスや包帯固定をゆるめましょう。とにかく圧迫を除去して、血液循環を回復させなければいけません。
固定をゆるめても痛みなどが治らない場合は筋膜切開をしなければいけない場合もあります。
まとめ
スネの前が痛くなるのはコンパートメント症候群かも
区画内圧の上昇が原因
区画の圧迫を減らすことで対策を!急性型はすぐに医療機関に連絡を!