裸足ランナーに感染の可能性がある破傷風という病気についてかんたんに説明します。
参考にしてみてください。
破傷風とは
破傷風菌の感染によって発症します。
破傷風菌は、土、木片などに常在しています。
破傷風は嫌気性菌なので、土の中など空気に触れない場所にいます。
木片などが刺さった場合の傷のような、閉鎖創で発症しやすいです。
一般的に予後は悪く、死亡率は30〜50%です。
破傷風の症状
潜伏期は24時間〜6日間ほどです。
潜伏期が短いほど予後が悪いです。
第1期:全身倦怠感、不安、不眠、発汗などの前駆症状があります。
そのあと創傷部付近の筋肉が硬直します。顔面では開口障害があらわれます。
第2期:開口障害、発語障害、嚥下障害、痙笑などが見られます。
また38度前後の発熱があります。
第3期:症状の極期です。全身が反り返る後弓反張など筋肉の硬直が主体です。音や光のような刺激で誘発されてします。
第4期:回復期になります。
破傷風の治療
破傷風に感染の可能性がある場合は、以下のような処置を行います。
①汚染創の新鮮化、抗菌薬ペニシリンG投与
②ヒト血清由来の抗毒素血清(テタノブリン)250単位と破傷風トキソイド0.5ミリリットルの補足投与を行い、免疫を作る
破傷風を発症した場合は、以下のような処置を行います。
①創の解放と新鮮化
②200〜3000U破傷風免疫ヒトグロブリンの投与
③呼吸管理、全身管理
④筋弛緩剤、鎮静薬投与
⑤二次感染の予防
破傷風は予防が大事
日本では、子供の頃に3種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳)や4種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、ポリオ、百日咳)によって免疫を獲得している人がほとんどです。
しかし、ワクチンの免疫が20歳前後で急激に低下するので、追加接種が望ましいとされています。
まとめ
破傷風は嫌気性菌、土の中に常在している。閉鎖創で発症しやすい。
倦怠感、創傷部付近の筋肉の硬直、発熱は前駆症状かも。
一応治療はできるけど、ワクチンで予防が大事。