殺菌と滅菌の違いは?消毒の種類と適応について

健康

風邪をひかない、病気にならないために病原微生物を減らすことは大切なことです。

今回は消毒について簡単に書いていきます。

参考にしてみてください。

消毒の分類

まずは消毒の分類について書いていきます。

殺菌と滅菌など似たような言葉ですが、意味はそれぞれ違います。

滅菌

滅菌はすべての病原微生物をなくしてしまうことをいいます。

いわゆる無菌状態にすることです。

殺菌

殺菌は対象物に付着している微生物をなくすことです。

病原性のあるなしに関わらず、なくしてしまう微生物の対象や程度は含まない概念の用語です。

消毒

消毒は人間に有害な病原微生物をなくし、感染症などの伝播を防止するための処理です。

消毒は殺菌と違い、対象とする微生物を選択し、他の微生物はある程度の数を減少させると考えます。

防腐

防腐は微生物は無くさず、その繁殖を抑えることで腐敗を防止することです。

食べ物を冷蔵庫に入れたり、冷凍や乾燥、塩漬けなどが該当します。

理学的消毒法・化学的消毒法

消毒の方法は理学的消毒法と化学的消毒法に分けられます。

まず理学的消毒法についてです。

理学的消毒法は熱や光を利用します。

日光消毒

日光に含まれる赤外線や紫外線を利用します。

家庭における寝具や衣類などの消毒に用いられます。

紫外線消毒

紫外線は殺菌作用が強く、比較的短時間で病原微生物はなくなります。

病院における手術室や研究室の室内空気の滅菌、器具の保管時に使用されます。

焼却法

病原微生物に汚染された廃棄物を焼却する方法です。

乾熱滅菌法

乾熱空気中で加熱することで、病原微生物を死滅させる方法です。

低温消毒法

温度を利用する消毒法のうち比較的低温でおこなうものをいいます。

低温と言っても65℃前後あります。その温度で30分以上作用させます。牛乳やワインに対し用います。

煮沸法

病原微生物をなくすために古くから行われている消毒法です。

100℃の熱湯で15分以上加熱します。熱に弱い物品の消毒はできません。

流通蒸気法

100℃の蒸気の中に30〜60分接触させる方法です。

高圧蒸気滅菌法

加圧した飽和水蒸気中で加熱します。

最も確実な滅菌法で、病院内での消毒法の主流です。

照射滅菌法

放射線照射法と高周波法があります。

火炎滅菌法

器具の滅菌に用います。

続いて化学的消毒法です。

化学薬剤を用いて殺菌、滅菌、消毒する方法です。

消毒薬は消毒作用、使用目的・方法によって適切な消毒薬を選ぶ必要があります。

高水準 中水準 低水準
グルタラール、フタラール、過酢酸 次亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタノール、70%イソプロパノール、ポピドンヨード 両面界面活性剤、第四級アンモニウム塩、クロルヘシジン
一般細菌
緑膿菌
結核菌 △(両面界面活性剤)
×(その他)
真菌
芽胞 (次亜塩素酸ナトリウム)
×(その他)
×
ウイルス(小型) ×
ウイルス(中型)
HBV  ×

◯は有効、△は効果は得られにくいが高濃度の場合や時間をかければ有効な場合がある、×は無効

こちらは消毒薬の使用領域です。

高水準 中水準 低水準
消毒液 グルタラール、フタラール、過酢酸 次亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタノール、70%インプロパノール、ポピドンヨード 両性界面活性剤、第四級アンモニウム塩、クロルヘキシジン
環境 ×
×(ポピドンヨード)
金属器具 ◯(エタノール、インプロパノール)
×(次亜塩素酸ナトリウム、ポピドンヨード)
非金属器具
×(ポピドンヨード)
手指皮膚 ×
×(次亜塩素酸ナトリウム)
粘膜 × ◯(ポピドンヨード)
×

×(クロルヘキシジン)
排泄物による汚染物 ◯(次亜塩素酸ナトリウム)
×

×(クロルヘキシジン)

◯は使用可能、△は注意して使用、×は不可

化学的消毒のまとめ

大雑把にまとめると、グルタラールとかは殺菌能力高いけど、皮膚・粘膜や環境はダメ。

次亜塩素酸ナトリウムは汚染物にはいいけど、皮膚・粘膜、金属器具はダメ。

ポピドンヨードは皮膚や粘膜にはいいけど、環境、金属器具・非金属器具はダメ。

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