健康水準と健康指標についてそれぞれ書いていきます。
参考にしてみてください。
目次
健康水準とは
ある指標や基準(物差し)によって示すことができる水準、つまり健康の程度が健康水準です。
その指標や基準となるものが、後で詳しく書いきますが、死亡率、平均余命、有病率などの「健康指標」です。
健康指標を使えば、都道府県間や国際間での健康水準の比較をすることができます。
集団の健康水準は、公衆衛生活動などによって向上させることができます。そのため、その活動の評価や行政の目標としても使われます。
これらの統計情報は、保健統計や衛生統計ともいわれます。
統計調査の方法に、国勢調査、人口動態統計調査、患者調査、国民生活基礎調査、国民健康・栄養調査などがあります。
健康指標とは
健康水準を求めるために用いるのが健康指標です。
健康指標は大きく3つに分けられます。
①死亡をもとにした指標
②出生をもとにした指標
③国民の傷病構造とその影響について、世帯と医療施設への調査をもとにした指標
①死亡をもとにした指標
死亡率(粗死亡率)とは
ある集団の1年間の死亡数をその年の人口で割り、人口千対の数値で表します。
分母の人口数は年の中間の時期(中央人口)を分母として使います。年のはじめと終わりでは異なるので、新学期などの時期を避けるためです。
国勢調査の関係で10月1日の人口が用いられます。
年齢調整死亡率とは
ある集団間での年齢の格差をなくすため、集団の年齢構成を等しく(標準化)して計算しなおした死亡率です。
高齢者の多い集団と少ない集団では、前者の方が死亡率が高くなってしまうのでそれを修正するためです。
現在は、昭和60年の日本人口の寝例構成をもとに平成2年から基準となる「モデル人口」を作り、これによって計算しなおしています。
乳児死亡率とは
ある集団の出生千に対する、1年間の1歳未満の死亡率です。分母は出生数で、死産は除きます。
PMIとは
全死亡者数のうち、50歳以上の死亡者数をあらわす割合です。
平均余命・平均寿命とは
平均余命は、x歳の生存者がその後何年生きられるかの平均値です。
平均寿命は、0歳の平均余命ということになります。(0歳の赤ちゃんがその後何年生きられるかの平均)。
死因別死亡率とは
人口10万に対する1年間の、ある死因で死亡した人の数です。
死因別の死亡数を比較できます。
出生をもとにした指標
出生率(粗出生率)とは
人口千に対する出生数です。
出生率=その人口集団のその年の出生数/その年のある時点の人口x1000 という式で求めます。
合計特殊出生率
粗再生産率、平均子供数ともいいます。
期間合計特殊出生率とコホート合計特殊出生率の2種類があります。
前者は、ある期間の出生状況に着目したその年の各年齢の女性の出生率です。年次比較、国際比較、地域比較に用いられます。
後者は、ある世代の出生状況に着目したもので、同じ世代生まれの女性の各年齢の出生率を過去から積み上げた、「その世代の出生率」といえます。
再生産率
1人の女性が一生に平均何人の女児を出産するかをあらわしています。男児の出産は除きます。
出生した女児が妊娠可能年齢をすぎるまでに一部亡くなることもありますが、それを見込まないものを総再生産率、見込んだものを純再生産率といいます。
世帯や医療機関への調査をもとにした指標
世帯からの調査には国民生活基礎調査があります。
医療機関からの調査には、患者調査(3年に1回)、医療施設調査・病院報告、社会医療診療行為別調査があります。
有訴者率
国民生活基礎調査から得られます。
病気や怪我で自覚症状がある人の人口千に対する割合です。
受療率
患者調査から得られます。
医療施設を利用する患者の傷病の状況を把握します。
入院では精神障害、外来では消化系疾患の受療が多いです。
まとめ
健康水準は、健康指標をもとに導き出した健康の程度・度合い。
健康指標は死亡、出生、世帯や医療機関への調査などさまざまな指標がある。