いくら練習しても速くならないと諦めていませんか?練習も大事ですけど食事には気をつけていますか?
今回は長距離走、マラソンを速く走りたい人は知っておいたほうがいいお話です。
栄養についてまとめたので参考にしてみてくださいね。
目次
スタミナ切れを防ぐ炭水化物
まずは炭水化物です。
三大栄養素の一つです。
主にエネルギー源として使われます。
また、使われるだけでなく貯蔵しておくこともできます。
貯蔵される場所は肝臓と筋肉です。
レース前はグリコーゲンローディングというテクニックをやるとバテにくくなります。
グリコーゲンローディングは、食事の中で糖質の割合を多くすることでエネルギー源をより多く蓄えておく食事法です。
しっかり追い込むようなトレーニングをしている人には効果的ですが、ろくにトレーニングしてない人がやっても体重が重くなるだけなのでそういう人にはオススメしません。
糖質について
体を動かすためのエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)という物質ですが、このATPを作るのにもっとも効率のいいのが糖質です。
糖質が使われるのは短距離走のように瞬発的に大きなエネルギーを必要とするときです。
解糖系
糖質は分解されてグルコースになります。
グルコースは解糖系という代謝経路によってATPというエネルギーを生み出します。
この解糖系は短距離走のような無酸素運動をするときに行われます。
で、この代謝産物としてピルビン酸と乳酸が発生します。ピルビン酸はさらにクエン酸回路という代謝経路に入り、有酸素下で再びエネルギーになります。
乳酸はエネルギー源
一方、発生した乳酸は、肝臓で再びグルコースに変換されてエネルギー源となります。まあそれにも限界がありますけどね。
この乳酸の再利用が追いつかなくなると、スピードやパワーの持続ができなくなるんですね。
乳酸の代謝が上手くできるかがポイントですね。
未だに乳酸が疲労物質だと思っている人もいますが、乳酸はエネルギー源です。
推測ですけど、昔は疲れた人の血液検査をしたら乳酸の濃度が高かったので、それで乳酸=疲労物質と考えられたんでしょうね。
ちなみに運動を継続していき、血中の乳酸濃度が急激に上昇する点を乳酸性作業閾値または無酸素性作業閾値といいます。
この閾値をどれだけ高いところへ持っていくかがパフォーマンスに大きく影響します。
そのためのトレーニングとしてインターバルがオススメです。
脂肪もエネルギー源!高エネルギーは作れないが持続性はある!
脂肪もエネルギー源になりますが、スピードやパワーを発揮するときには使われません。
ゆっくりのジョグや歩くときのような強度の低いときのエネルギー源が脂肪です。
ラストスパートの切り替えができる人は、それまで糖質を節約して走っていた人といえます。
長距離においては糖質をいかに節約して走るかが重要です。
そのために効率のいいフォームを身につけることも必要といえます。
また糖質は食べたあと消化、吸収されますがこのときグリコーゲンというものに変化して肝臓や筋肉に貯蔵されます。
このグリコーゲンの貯蔵量が多ければ、長時間の運動にも耐えることができるといえます。
糖質は脳の栄養でもある
空腹のまま走ればエネルギー源がないので疲れるのは当然です。
このとき体を動かすように指令を出している脳にとってもエネルギー源がない状態といえます。
そのため集中力が低下し、練習の効率が悪くなります。
糖質が分解されたブドウ糖は脳にとっての大切なエネルギー源です
極度のダイエットをして糖質が不足しているときは、代わりに脳のエネルギー源となるものもあります。それは脂質を分解して発生するケトン体というものです。
しかし大量にケトン体が発生すると体のpHが酸性になって腎臓に負担がかかるので極度の糖質制限は危険です。
エネルギーの貯蔵庫「脂質」
これもエネルギー源になります。
エネルギー以外にも脂溶性ビタミンの溶媒になったり、ホルモンや細胞膜の材料になったりします。
さっきの炭水化物も過剰摂取すると脂肪に変換されて蓄えられます。
脂肪が過剰に蓄積されると状態は肥満です。
肥満は動脈硬化や高血圧症になりやすいので注意しましょう。
ちなみに、肥満の改善は食事療法と運動療法の組み合わせが大切です。
いきなり走ると足を痛めるのでまずはウォーキングから始めましょう。
脂質は1gあたり9kcalです。
糖質とタンパク質は1gあたりおよそ4kcalなので、脂質はエネルギーを貯蔵する形として効率がいいのです。
エネルギーの貯蔵庫となる
自然界に多く存在する脂質がトリグリセリドというものです。
このトリグリセリドが加水分解されると遊離脂肪酸となり、多くの組織でエネルギーとして使われます。
同時に肝臓ではケトン体というものにも変換されます。
ちなみに、ケトン体はクエン酸回路という代謝経路に入ることで筋肉、腎臓、脳のエネルギーになりますが、この時、体のpHは酸性になります。
pHが極端に傾くことは腎臓に負担がかかり、代謝機能に影響を及ぼすので気を付けましょう。
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細胞膜、ホルモンなどの材料にもなる
トリグリセリドのほかに、リン脂質とステロイドに分けられます。
まずリン脂質は細胞膜をはじめとする様々な生体膜の構成要素です。
私たちの体は細胞が集まってできています。その細胞の膜の成分がリン脂質なんです。
次にステロイドです。
ステロイドは、体の代謝機能を調節するためのステロイドホルモンの材料になったり、消化に働く胆汁酸の材料になったりします。
ビタミンDなどの吸収
また、ビタミンA、D、E、Kなど脂溶性ビタミンの吸収を助けます。ビタミンDはカルシウムの吸収に必要な栄養素です。
疲労骨折で悩んでいるなら、脂質の減らしすぎは禁物です。
このように脂質は体にとって欠かすことのできないものです。
しかし過剰摂取は肥満につながり生活習慣病のリスクを高めるので注意が必要です。
脂質は空腹時のエネルギー源
脂質は優秀なエネルギー源です。
主に安静時やゆっくりのランニングなど軽い運動をする時などに使われます。
脂質は糖質とは違い瞬発的に大きな力を発揮する時には使われません。
マラソンのように弱い力だけど、ゆっくり長く運動する時にエネルギーとして働きます。
筋肉を作るタンパク質
タンパク質は体をつくります。
筋肉の材料にもなるので、トレーニングの後はタンパク質もしっかり補給しましょう。
ちなみにタンパク質の最小単位がアミノ酸です。
このアミノ酸がいろんなパターンで組み合わさってさまざまなタンパク質を構成します。
また、体を作るだけでなくエネルギー源にもなります。
タンパク質がエネルギー源になるということは、糖質、脂質では補えないほど極限の状態ですね。
このレベルになると肝臓、腎臓、心臓など臓器の重量まで減ります。
アミノ酸の組み合わせでたんぱく質が作られる
アミノ酸は20種類に限られていますが、その組み合わせによっていろんな種類のタンパク質が作られています。
ちなみに20種類のうち8種類は必須アミノ酸といわれ、体の中で作り出すことができません。
なので食べ物から補給しないといけません。
タンパク質の機能
タンパク質はアミノ酸の組み合わせによっていろんな種類があるので、それに伴っていろんなはたらきをします。
先に書いた筋肉や皮膚はもちろんですがほかにも、酵素、免疫抗体、ホルモンなど伝達物質に対する受容体などのはたらきもあります。
緊急時のエネルギー源にもなる
糖質や脂質がエネルギー源になることはよく知られていますが、タンパク質もエネルギー源になります。
タンパク質を分解してできるアミノ酸が肝臓でグルコースを作り出す材料になります。
基本的にはエネルギーを作り出すためにまず脂肪が使われるので、この段階まで来るのはそうありません。まあフルマラソンを走るとこの段階になりますね。
他には極端に体脂肪が少ない状態だと、筋肉からエネルギーを作り出そうとしてしまい筋肉の量が減ってしまうので気をつけましょう。
タンパク質の代謝
タンパク質はアミノ酸に消化、分解されたあと肝臓にいきます。
肝臓内で再び特有のタンパク質になったり、肝臓を通過してそれぞれの組織に必要なタンパク質になります。
タンパク質を作るのに利用されなかった余分なアミノ酸は、糖や脂質の代謝経路に入りこれらの栄養素に変換されてしまいます。
極端な話、タンパク質の過剰摂取も脂質に変換されて、肥満につながるので気をつける必要があります。
タンパク質が不足するとパフォーマンスが低下する
タンパク質不足は筋力低下につながります。
筋肉の組織は、トレーニングをすることで負荷を受けます。
負荷を受けた筋肉は修復されていきますが、このときに筋肉の材料となるタンパク質がなければなりません。
材料のタンパク質がないので、筋肉が強くならない。これではいくら練習しても効率が悪いですよね。
マラソンの大敵、貧血にも関係する
タンパク質は血液の材料にもなると書きました。
血液の赤血球にはヘモグロビンというものがあります。酸素はこのヘモグロビンと結合して全身の組織に運ばれます。
ヘモグロビンは何からできているかというと、ヘム鉄とグロビンというタンパク質からできています。
だから鉄分だけ気をつけるんじゃなくて、タンパク質も忘れないようにしましょう。
何事もバランスが大事です。
エネルギー代謝を促進して楽に走るためのビタミン
ビタミンは体の調子を整えます。
ビタミンはたくさん種類があるので、細かいことは今度のブログのネタにします。
ちなみに怪我してる人はビタミンCたくさん摂るといいです。
ビタミンCはコラーゲンの合成を促進するので、筋肉や骨の回復も早まるといわれています。
ビタミンは体の機能を正常に維持するために必要な栄養素です。
体の中で作ることができないもの、作ることができたとしても必要な量まで届かないので食べ物から摂取する必要があります。
脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがある
ビタミンには脂溶性と水溶性があります。
脂溶性ビタミンはA,D,E,Kです。脂質に溶けやすく水に溶けにくい性質があります。
水溶性ビタミンはB群,Cです。水に溶けやすく脂質に溶けにくい性質があります。
欠乏症と過剰症がある
ビタミンの摂取量が少ないと欠乏症、多いと過剰症としていろんな症状が出てきます。
過剰症は脂溶性ビタミンでなりやすいです。
水溶性ビタミンは尿として排出されるので過剰症が問題になることはありません。逆に欠乏症になりやすいので意識して摂取しましょう。
ビタミンA,D,E,Kについて
まずは脂溶性ビタミンについて簡単に書いていきます。
ビタミンA
主に上皮組織の維持や目の機能に関して作用します。
欠乏症になると夜盲症といって暗いところでものが見えにくくなります。
過剰症では頭痛、吐き気を感じるようになります。
ビタミンD
主にカルシウムとリンの小腸からの吸収促進に作用します。作用するには活性型になる必要があり紫外線が必要です。
太陽にあたるといいというのはこういうことが関係しています。
欠乏症は骨軟化症(子供の場合くる病)、骨粗鬆症です。
紫外線を気にして子供を外で遊ばせないようにしていると、骨が弱くなり骨の成長障害になりやすいです。
ランニングに多い怪我に疲労骨折があります。
疲労骨折は、一度の外力でボキッと折れるような通常の骨折とは違い、繰り返しの外力によって骨が損傷される骨折です。
ランニングによる繰り返しの外力はもちろん、汗からもカルシウムが失われていくことで骨に負担がかかりやすくなります。
骨の修復にはカルシウムが必要なので意識して摂取していきましょう。
もちろんカルシウムだけではダメですけどね。
骨の材料のコラーゲンのもとになるタンパク質、コラーゲン合成を促進するビタミンC、骨吸収と形成に関係するビタミンK、マグネシウムも忘れずに摂取しましょう。
ちなみにカルシウムの過剰症は高カルシウム血症、腎障害などがあります。
ビタミンE
抗酸化作用がありますが、ビタミンCと一緒に摂取するようにしましょう。
欠乏症は未熟児の貧血です。
過剰症は血液凝固障害になり出血しやすくなります。
ビタミンK
主に血液凝固と骨形成の促進に作用します。
腸内細菌によって合成されるため、一般的に欠乏症や過剰症にはならないといわれています。
カーボローディングの効果を高めるビタミンB群
ビタミンB群はエネルギー代謝に関わるものが多いのでランニングにとって特に大切な栄養です。
ビタミンB1
B1は主に糖代謝、神経の機能維持に働きます。
糖代謝はランニングには重要ですね。いくら糖質を摂取してもビタミンB1がなければ効率良くエネルギーとして代謝されません。B1は豚肉や豆類に多く含まれています。
欠乏症になると脚気(全身の倦怠感、食欲不振、足のむくみやしびれなどの症状)になります。
ビタミンB2
B2は脂質代謝、皮膚、爪、髪の健康維持に働きます。
脂質代謝もランニングにとって重要ですね。
欠乏症は口角炎、舌炎、皮膚炎などがあります。
ビタミンB6
B6はタンパク質、アミノ酸代謝に働きます。
タンパク質を分解してアミノ酸にすること、分解したアミノ酸をタンパク質に再合成するときに働きます。
体づくりに必須ですね。
また体内で使われずに余ったアミノ酸をエネルギーへと変えるときも働きます。
タンパク質の摂取量が多い人ほどB6の必要量も多くなります。よく意識していきましょう。
ビタミンB12
主に赤血球産生に働きます。
欠乏症になると貧血になります。これは長距離ランナーの天敵ですね。
レバー、肉類、貝類を摂取するといいですね。ほうれん草や小松菜も鉄分豊富ですが吸収効率がよくありません。
しかしタンパク質と一緒に摂取すると効率良く吸収できるようになります。
さらにビタミンCにも鉄の吸収効率を高める働きがあります。貧血対策には鉄、タンパク質、ビタミンCをセットにしておきましょう。
ナイアシン
ナイアシンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。糖質、脂質の代謝に関わります。
エネルギー代謝機構である解糖系、クエン酸回路において重要な働きをしています。これらの機構が働かないとエネルギーが作れないんですね。
いくら糖質や脂質を蓄えていても代謝されてエネルギーにならないと意味がないんです。
欠乏症では舌炎、皮膚炎になります。
パントテン酸
パントテン酸も糖質、脂質の代謝に関わります。特に脂肪酸の合成分解に関わります。
他にホルモンの合成にも働きます。
腸内微生物によって作られるので欠乏することはありません。
葉酸
葉酸はタンパク質やDNA、RNAの合成と造血作用に関わります。
ということは不足するといろんな組織の合成に支障が出ることになりますね。
実際に妊娠や授乳期に葉酸が不足すると胎児の発達障害や乳児の発育不良になりやすいです。
ビオチン
別名ビタミンB7、ビタミンH、コエンザイムRともいわれます。
ビオチンは糖代謝、脂質代謝、タンパク質代謝に関わります。皮膚や粘膜の健康維持にいいとされていて美容の面でも活躍します。
怪我からの復帰を助けるビタミンC
ビタミンCは別名アスコルビン酸ともいいます。
主な作用は、過酸化物質の抑制、コラーゲンの合成、鉄の吸収促進です。欠乏症では壊血病や皮下出血になります。
コラーゲンは筋肉や骨を作るのに必要なものです。
怪我から復帰したいならコラーゲン合成を助けるビタミンCを意識して摂取しましょう。もちろんビタミンCだけでなくタンパク質も忘れずに!
体の大敵、活性酸素を除去する
過酸化物質でよく聞くのは活性酸素ですね。これ自体が悪いというより増えすぎることが問題なんです。
活性酸素は読んで字のごとく、普通の酸素分子よりも活性化されていて、私たちの体の脂質、タンパク質、核酸などを傷害(酸化による変性)します。
その結果老化をはじめ、脳血管疾患、心疾患、がんなどのリスクを高めます。
ビタミンC、Eは抗酸化作用があるので活性酸素を除去してくれるというわけです。
貧血は長距離走の大敵、重要な栄養素ミネラル
ミネラルもビタミンと同じように体に欠かせないものです。
人の体を支える骨もカルシウムというミネラルが材料ですし、筋肉の収縮にもカルシウムが必要です。
ミネラルとは、体を作るもののうち水、糖質、脂質、タンパク質の構成元素であるC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、N(窒素)以外の元素の総称です。
また長距離ランナー的が忘れていけないのが鉄分です。
鉄が足りない貧血だと、酸素を運べないので走っててもすぐにばててしまいます。
ミネラルのなかでも、主要ミネラルと呼ばれるものは、1日の必要量が100mg以上になるものをさします。
主要ミネラル
主要ミネラルはCa(カルシウム)、P(リン)、K(カリウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、S(硫黄)、Cl(塩素)があります。
主要ミネラルは細胞、体液、骨をつくっています。
微量ミネラル
微量ミネラルというのもあり、これは1日の必要量が100mg未満になるものをさします。
微量ミネラルはFe(鉄)、Zn(亜鉛)、I(ヨウ素)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、Co(コバルト)、Se(セレン)などの20種類です。
微量ミネラルは特殊なタンパク質、ホルモン、ビタミンなどをつくっています。
カルシウム
まずは一番有名なミネラル、カルシウムのお話です。
主に骨、歯の形成、血液の水素イオン濃度(pH)の調整、心臓や筋肉の収縮、血液凝固などに働きます。
体内のカルシウムの99%は骨にあり、1%は筋肉と細胞内にあります。この1%のうちの約0.1%が血液中にあります。
筋肉の収縮にはカルシウムが必要
私たちは筋肉の収縮によって運動をしていますが、筋肉が正常に動くためにカルシウムが必要なんですね。
しかしカルシウムを摂りすぎる過剰症では結石になります。
ストレスを受けることでカルシウムは体の外へ出ていってしまいます。何かとストレスの多い世の中ですが、心に余裕を持っていきたいですね。
リン
リンは骨、歯の形成、エネルギー代謝に働きます。
リンは体内のすべての細胞や組織に含まれます。約85%は骨や歯の存在しています。それからATPにも含まれています。
ATPのこと覚えていますか?以前のブログにも書きましたがアデノシン3リン酸のことですね。私たちの活動のエネルギー源となるものです。
リンの取りすぎは疲労骨折のリスク
リンは骨や歯の形成に働きますが、リンを摂りすぎると逆に骨からカルシウムを奪ってしまいます。これはリンとカルシウムが互いに結合する性質があるからです。
カルシウムとリンの摂取比率は1:1〜2が理想といわれています。
リンは普通の食生活をしていればまず欠乏することはありません。問題なのは過剰症です。
インスタント食品や炭酸飲料にはリンが多く含まれているので注意が必要です。疲労骨折の治療中のランナーは注意が必要ですね。
マグネシウム
マグネシウムはたくさんの働きがあります。
約300以上の酵素の補因子として機能するほか、筋収縮、脂肪酸の分解、合成、タンパク質の分解、ビタミンD活性、神経の興奮などに関与します。
骨を作るのに必要な栄養
マグネシウムは約65%が骨に存在しています。カルシウムとも密接に関係していて、骨の健康を保つのに不可欠な栄養です。カルシウムとマグネシウムの摂取比率は2:1がいいとされています。
欠乏症では動脈硬化、骨粗鬆症などになります。
マグネシウムもカルシウム同様、ストレスによって体の外へ出ていってしまいます。
マグネシウムは大量に摂取しても腎臓から速やかに排出されるので過剰症はおこりにくいとされています。意識して摂取していきましょう。
マグネシウムは魚介類、海藻類、大豆などの豆類に含まれています。
鉄
以前、水溶性ビタミンのブログでも少し書きましたが、主に鉄はヘモグロビンの材料として酸素運搬に働きます。
また、筋肉にもミオグロビンとして存在し、運ばれてきた酸素を筋肉の細胞内へ届けるのにも働きます。
エネルギーを作るのに必要
酸素運搬の何が大事かって、酸素がないとクエン酸回路でATPを作ることができないんですよね。
ATPは生命活動を維持するのに必要なエネルギー源ですよ。だから酸素運搬に関わるヘモグロビンや鉄は大事なんです。
鉄の欠乏症は鉄欠乏性貧血です。
ナトリウム(Na)
ナトリウムの作用は浸透圧の維持、細胞の興奮、糖やタンパク質の吸収促進などです。
浸透圧について簡単に説明しますね。簡単にいうと、ナメクジに塩をかけるとナメクジの水分が塩に持っていかれますよね?
塩が水分を引き寄せたというか移動させたわけなんですが、その時の力みたいなものと考えておくといいですね。ちなみにこの現象は物質の種類ではなく量に比例します。
つまりナメクジに塩じゃなくて砂糖をかけても浸透圧による水の移動でナメクジはしぼむってことです。
ナメクジに砂糖をかけるとどうなる? (参考 CELLS サイトへ飛びます)
給水ドリンクは薄めて飲む
なので、水分補給する場合、濃度が濃い飲み物は吸収に時間がかかりますし、体の水分が持っていかれて逆に喉が乾くことになります。
スポーツドリンクを薄めるといい理由はこうゆうことです。
女性の天敵、むくみの原因にもなる
体内のナトリウムは細胞の中には約40%、細胞の外に約50%存在しています。
基本的に細胞内の方がナトリウムは少ないんですね。本来のバランスが保てていればいいのですが、過剰摂取によって細胞外のナトリウムが増えると、濃度のバランスを保つために細胞内の水が細胞外へ移動します。
細胞内にあった水分が外へ出てしまうのでこれによりむくみが発生します。
関連記事 浮腫(むくみ)の原因を簡単に説明!
むくみが気になる人は塩分の摂りすぎに気をつけましょう。
また、細胞内の水分が細胞外へ出るということは血液量も増えます。
そうなると血圧も高くなります。血圧が高めの方も塩分の取りすぎには注意が必要です。
腎臓が正常な状態ならナトリウムの欠乏症はまずありえないので、摂りすぎに注意しましょう。
カリウム(K)
続いてカリウムです。バナナに多く含まれています。
よく参加賞やエイドでもバナナをもらいますよね。
カリウムの作用は浸透圧の維持、細胞の興奮、酵素の活性化などです。
カリウムの98%は細胞内に存在しています。
さっきのナトリウムとは反対なんですね。
このカリウムとナトリウムの差が電位差となって、その変動によって細胞がさまざまな活動をしています。
例えば心臓が血液を送るために動けるのもこのカリウムとナトリウムのバランスのおかげなんです。
ナトリウムとカリウムのバランスが大事
細胞内外のカリウムとナトリウムのバランスが崩れると非常に危険です。心臓が正常に動かなくなったりします。
ちなみに腎不全のような腎臓の病気になるとカリウムがうまく排泄されなくなるので、体の中で溜まっていきます。
こうなると高カリウム血症になるのでカリウムの摂取量を制限しないといけなくなります。
硫黄(S)
硫黄はタンパク質やペプチドの構成成分です。タンパク質の構成ということは筋肉にも必要な栄養ですよね。
硫黄も体に必要なミネラルなんです。ちなみにシスチンというアミノ酸の中に含まれています。
硫黄が足りないと小さいお子さんでは発育不全になりやすくなります。
ヨウ素( I )
ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分になります。
甲状腺ホルモンは人の成長、成熟に作用するほか、脂質代謝や糖質代謝に働いてエネルギーを作り出します。
成長期にはタンパク質合成にも作用します。
海藻類に多く含まれています。欠乏症になることはまずないですし、ヨウ素の摂りすぎは健康障害を引き起こすので注意しましょう。
亜鉛(Zn)
亜鉛は酵素の補因子、DNAの合成のときに働きます。DNAの合成は簡単にいうと細胞を新しく作ることと考えましょう。
怪我を治したいなら亜鉛を!
ということは新しい細胞を作ろうとしている成長期や妊娠中、怪我の治癒のときに非常に重要になりますよね。
過剰症では頭痛、貧血などになります。
まとめ
栄養にも気をつけよう!