脳の構造の話。認知、言語、意志・感情には連合野が関係する

      2018/11/02

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認知と言語と意志は脳が司る、高等な精神機能です。

今回はこの認知、言語、意志・感情の仕組みについてかんたんに解説します。

まず脳(大脳半球、終脳)の形態について

終脳は正中部に走る大脳縦裂によって、左右の大脳半球に分かれます。

大脳半球の表面には、中心溝、外側溝、頭頂後頭溝という深い明瞭な溝があります。

中心溝より前が前頭葉、中心溝と頭頂後頭溝の間が頭頂葉、頭頂後頭溝より後ろが後頭葉、外側溝より外側が側頭葉です。

前頭葉

運動野があります。反対側の身体の随意運動を司ります。

また前頭葉の前方は、意欲、計画性、思考などに関与します。

頭頂葉

体性感覚野があり、触覚、温度覚、痛覚、深部感覚を受容します。

味覚もここにあります。

後頭葉

視覚は後頭葉で受容します。

側頭葉

聴覚は側頭葉で受容します。

大脳皮質、大脳髄質、大脳核について

認知、言語、意志・感情を司るのが、大脳皮質連合野です。

大脳皮質とは

大脳皮質は、大脳最表層をおおう灰白質です。

大脳は大脳皮質、大脳髄質、大脳核から成り立っています。

大脳髄質とは

大脳髄質は、大脳皮質の下層の白質です。

大脳皮質に出入りするさまざまな神経線維(連合線維、交連線維、投射線維)から成り立ちます。

大脳核とは

大脳核大脳髄質中にある灰白質で、尾状核レンズ核(被殻、淡蒼球)などに分類されます。

大脳核は、中脳や視床、大脳皮質の運動野と連絡し、骨格筋の筋緊張と運動を調節します。

連合野

認知

頭頂-側頭-後頭連合野には、二次視覚野二次聴覚野があります。

それぞれ後頭葉の一次視覚野側頭葉の一次聴覚野に隣接しています。

視覚の連合野と体性感覚の連合野もあります。

一次感覚野と線維連絡をもつほか、視床非特殊核から投射を受けています。

感覚の受容と認知は別

感覚情報の受容は、それぞれの感覚野で行われます。ですが、知覚し、認知し、判断するのは連合野の統合作用に基づきます。

ただし、認知には記憶が基盤として必要で、それに照会することで初めて認知できます。

それぞれの感覚野に接する連合野が障害を受けると、感覚には異常がないのに認知することができなくなります。

例えば、ものを触っているのはわかるのに、そのものの形や大きさがわからなくなります

また、反対側の身体・空間を認知できなくなります(半側身体失認、半側空間失認)。視覚や聴覚でも同様のことが起こります。

言語

ほとんどの人は脳の左半球に言語機能があります

ちなみに左右の半球は非対称で、言語機能をもつ左半球が大きいのです。

脳の左半球の前頭葉運動性言語野(ブローカー中枢)があります。ここが障害されると運動性失語症(意味のある言語を発声できない)になります。

左半球の側頭葉の後部感覚性言語野(ウェルニッケ中枢)があります。ここが障害されると感覚性失語症(聴覚は正常だが言葉の意味を理解できない)になります。

頭頂葉の下後部には視覚性言語中枢があります。ここが障害されると失読症(視覚は正常だが、文字の理解ができない)になります。

意志・感情

前頭連合野の障害は、行動に異常を起こします。運動や感覚自体には影響はありません。

つまり運動動作を理解しているのに、実際にできない行動不能に陥ります。

また、不安、苦痛、悲哀などの感情の消失があります。

昔の狂暴性の精神障害者の治療では、前頭連合野の切除をしていました。その結果、無感情になり狂暴性はなくなりましたが、人格の変化が引き起こされました。

まとめ

連合野で認知、言語、意志・感情をつかさどる。

連合野が障害されると、感覚は受容できても、認知できない。

 - 生理学, 解剖学