みなさんが普段お世話になっている整骨院。
接骨院というのもあるけど、何か違うの?と思ったことはありませんか?
どっちも同じ国家資格を持つ柔道整復師という人たちが施術する場所で同じものです。
ですが、法律的には「〜整骨院」という名称は違法なのです。
法律的には、接骨院またはほねつぎ、柔道整復院などの名称以外は用いてはいけないのです。
まあ、整骨院のほうが患者さんもわかりやすいので黙認されているのが現状です。
今回は、法律の面から接骨院の裏側を書いていこうと思います。
目次
柔道整復師法
接骨院の先生は、柔道整復師という国家資格を持った人です。
この資格を定めるとともに、業務が適正に運用されるよう定めた法律が「柔道整復師法」です。
柔道整復師の業務について
柔道整復師って何するの?
柔道整復師がおこなう業務は、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷に対しその回復を図ることです。これらに対する施術は保険適応です。慢性的な肩こり腰痛に保険を使ってる所は違法です。
最近は、保険が厳しいということもあり、保険を使わない実費治療として、整体のようなことをする接骨院が多いですね。
ちなみに骨折、脱臼に対する施術には、応急処置の場合を除き、歯科医師以外の医師の同意が必要です。
今では骨折、脱臼なんかは整形外科にいくことが多いですよね。
骨折、脱臼は結局は医師の同意がいるので、整形外科に直接行った方が二度手間にならないですね。
施術所の名称の制限
施術所の名前には、〜接骨院、〜ほねつぎ、〜柔道整復院など業務の種類を明記しただけのものでなければいけません。
こんな名前の接骨院はアウト
整骨院
病院、診療所などと紛らわしい名前は医療法違反
〜病院
〜診療所
〜療院
〜治療院
〜接骨科などなど
*現状、整骨院と名乗るところが多いですが、行政上の判断で黙認されているだけです。法律的にはアウトです。
柔道整復師以外にも、整体師がやってるような「〜治療院」っていうのも医療法違反になります。
施術所の広告の制限
柔道整復師が業務をおこなう施術所には広告できる内容に制限があります。
広告していいのは、
*柔道整復師である旨、氏名、住所
*施術所の名称、電話番号、所在の場所を表示する事項
*施術日、施術時間
*その他厚生労働大臣が定める事項
・ほねつぎ、接骨院である事
・医療保険療養費支給申請できる旨
・予約に基づく施術の実施
・休日または夜間における施術の実施
・出張による施術の実施
・駐車場に関する事項
これらの内容は広告してもOKです。
こんな広告をしている接骨院はアウト
・〜病院で5年間研修実績あり
・腰痛、肩こりによく効く
・〜式牽引法、〜整体法
・〜研究会理事
・〜学会会員
・〜学校卒業
・健康保険取り扱い、各種保険取り扱い
などなど。
結構こういう広告見かけますよね。
これら広告の制限に違反すると30万円以下の罰金です。
広告を制限する理由
自己に有利な事項のみ強調する、誇大広告になりかねない。
もしも万が一不当な広告により施術に失敗があった場合、人命、機能障害など代償困難なものが多い。
患者は一般的に専門知識に乏しく、疾患の苦痛を回避したい欲求が他の一般商品より強いので広告の影響が大きい。
広告には客観性と正確性が維持できるよう、広告できる事項を限定し、広告を制限する必要がある。
接骨院の構造設備基準
この条件を満たしていない施術所はアウトです。
*6.6平方メートル以上の専用の施術室
*3.3平方メートル以上の待合室
*施術室の室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得る事。これに変わる適当な換気装置があるときはこの限りではない。
*施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること
つまり、施術室と待合室が同じ空間にある場合はアウトです。
都道府県知事から、施術所の使用制限・禁止、設備の改善などを命じられるかもしれません。
柔道整復師はマッサージはできない
マッサージというのは、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の業務です。
あん摩マッサージ指圧師は業務独占の資格なので、無資格の人が業としてマッサージをおこなってはいけないのです。
ということで、柔道整復師は「マッサージ」を業としておこなう事はできません。
理学療法士が、病院または診療所で医師の指示を受けておこなうマッサージは特例が認められています。
まとめ
整骨院という名前の施術所は法律的にはアウト。
慢性の肩こり、腰痛に対する施術に保険を使うのもアウト。
広告の制限に違反しているのも法律的にはアウト。
行政が許容している地域も意外と多いけどね。