今回は水溶性ビタミンについてですが、特にランニングと関係の深い栄養のお話になります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1、カーボローディングの効果を高めるビタミンB群
これまで紹介したのも大切ですが、B群はエネルギー代謝に関わるものが多いのでランニングにとって特に大切な栄養です。
ビタミンB1
B1は主に糖代謝、神経の機能維持に働きます。
糖代謝はランニングには重要ですね。いくら糖質を摂取してもビタミンB1がなければ効率良くエネルギーとして代謝されません。B1は豚肉や豆類に多く含まれています。
欠乏症になると脚気(全身の倦怠感、食欲不振、足のむくみやしびれなどの症状)になります。
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ビタミンB2
B2は脂質代謝、皮膚、爪、髪の健康維持に働きます。
脂質代謝もランニングにとって重要ですね。
欠乏症は口角炎、舌炎、皮膚炎などがあります。
ビタミンB6
B6はタンパク質、アミノ酸代謝に働きます。
タンパク質を分解してアミノ酸にすること、分解したアミノ酸をタンパク質に再合成するときに働きます。体づくりに必須ですね。また体内で使われずに余ったアミノ酸をエネルギーへと変えるときも働きます。
タンパク質の摂取量が多い人ほどB6の必要量も多くなります。よく意識していきましょう。
ビタミンB12
主に赤血球産生に働きます。
欠乏症になると貧血になります。これは長距離ランナーの天敵ですね。
レバー、肉類、貝類を摂取するといいですね。ほうれん草や小松菜も鉄分豊富ですが吸収効率がよくありません。しかしタンパク質と一緒に摂取すると効率良く吸収できるようになります。
さらにビタミンCにも鉄の吸収効率を高める働きがあります。貧血対策には鉄、タンパク質、ビタミンCをセットにしておきましょう。
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ナイアシン
ナイアシンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。糖質、脂質の代謝に関わります。
エネルギー代謝機構である解糖系、クエン酸回路において重要な働きをしています。これらの機構が働かないとエネルギーが作れないんですね。いくら糖質や脂質を蓄えていても代謝されてエネルギーにならないと意味がないんです。
欠乏症では舌炎、皮膚炎になります。
パントテン酸
パントテン酸も糖質、脂質の代謝に関わります。特に脂肪酸の合成分解に関わります。他にホルモンの合成にも働きます。
腸内微生物によって作られるので欠乏することはありません。
葉酸
葉酸はタンパク質やDNA、RNAの合成と造血作用に関わります。
ということは不足するといろんな組織の合成に支障が出ることになりますね。実際に妊娠や授乳期に葉酸が不足すると胎児の発達障害や乳児の発育不良になりやすいです。
ビオチン
別名ビタミンB7、ビタミンH、コエンザイムRともいわれます。
ビオチンは糖代謝、脂質代謝、タンパク質代謝に関わります。皮膚や粘膜の健康維持にいいとされていて美容の面でも活躍します。
2、怪我からの復帰を助けるビタミンC
ビタミンCは別名アスコルビン酸ともいいます。
主な作用は、過酸化物質の抑制、コラーゲンの合成、鉄の吸収促進です。欠乏症では壊血病や皮下出血になります。
コラーゲンは筋肉や骨を作るのに必要なものです。
怪我から復帰したいならコラーゲン合成を助けるビタミンCを意識して摂取しましょう。もちろんビタミンCだけでなくタンパク質も忘れずに!
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体の大敵、活性酸素を除去する
過酸化物質でよく聞くのは活性酸素ですね。これ自体が悪いというより増えすぎることが問題なんです。
活性酸素は読んで字のごとく、普通の酸素分子よりも活性化されていて、私たちの体の脂質、タンパク質、核酸などを傷害(酸化による変性)します。
その結果老化をはじめ、脳血管疾患、心疾患、がんなどのリスクを高めます。
ビタミンC、Eは抗酸化作用があるので活性酸素を除去してくれるというわけです。
まとめ
ビタミンB、Cは水溶性ビタミンで欠乏症になりやすい!
Bは主にエネルギー代謝に関わる!
Cは故障からの回復、貧血対策、抗酸化作用と超有能!
水溶性ビタミンは過剰摂取しても尿と排出されるだけだよ!