発癌の原因には大きく分けて外因と内因があります。
外因は外部からの影響、内因は自分自身の影響と思ってもらえればいいです。
それぞれ書いていくので参考にしてみてください。
発癌の原因 外因
放射線
まず放射線です。
放射線の防御の必要性が認識される前の時代では、放射線医師や放射線技師さんに白血病や皮膚癌をはじめさまざまな癌が多発していました。
また、治療用放射線によっても発癌することがあります。
悪性腫瘍に対する放射線治療では、まれですが二次癌の発生が起こることが明らかになっています。
例えば、子宮癌の放射線治療によって直腸癌や結腸癌が見られることがあります。
乳癌治療後に胸部の皮膚に皮膚癌が発生することもあります。
さらに被爆者における発癌もあります。
広島、長崎の原爆被爆者は原爆投下の数年後に多数の白血病患者が見られました。
さらに10数年後には、若年者の被爆者に甲状腺癌、乳癌、胃癌、肺癌などの臓器癌が多く見つかりました。
化学物質
昔の実験でうさぎの耳にコールタールを塗り続け、そこに皮膚癌が発生したと実験があります。
このことは実験的に作られた最初の癌として知られています。
また、食品着色剤に含まれるアゾ色素や亜硝酸塩から体内で生成されるN-ニトロソ化合物も知られています。
特にタバコには約200種類を超える発癌物質があるとされています。
タバコ煙に含まれるベンツピレンは、DNA損傷を引き起こす「究極の発癌物質」と呼ばれています。
喫煙は、肺癌、咽頭・喉頭癌、食道癌など多くの癌の危険因子です。
ウイルス
肝炎ウイルスとして知られる、B、C型肝炎ウイルスは、肝炎を引き起こし肝硬変を経て肝癌に至ると考えられています。
このほか
EBウイルスは、バーキットリンパ腫や鼻咽頭癌
ヒトパピローマウイルスは、子宮頸癌や食道癌
成人T細胞白血病ウイルスは白血病
以上のものがあげられます。
発癌の原因 内因
これまでの外因は直接的に癌を作る要因でした。
内因は癌発生が生じやすい背景因子と考えられ、腫瘍素因ともいわれます。
遺伝的素因
癌発生率の高い家族というのがあり、癌家系といわれます。
癌家系では同じ臓器や組織に癌が発生することがあります。
民族によっても発生する癌に差があります。
日本人は胃癌、肝癌が多く、アメリカ人には前立腺癌や乳癌が多いとされています。
ホルモン
ホルモンが作用する臓器細胞の発癌に対して、癌細胞の促進をしてしまう作用があると考えられています。
特に腫瘍細胞がホルモンの受容体を有し、ホルモンの影響を強く受ける腫瘍をホルモン依存腫瘍といいます。
例えば、性ホルモン依存の癌として、前立腺癌、乳癌、子宮内癌、卵巣癌などがあります。
ほかにも甲状腺癌、下垂体腫瘍、副腎皮質腫瘍などもあります。
免疫
一般的に免疫系が抑えられてしまうと、癌の発生、増殖を促進します。
40〜50歳以上は免疫を司る組織が萎縮したりするため、加齢によって癌の発生も増えていきます。
外因でも書いた、放射線、化学物質、ウイルスにも免疫機能を抑制してしまう作用があります。
栄養
実験的には高栄養で飼育された動物は、低栄養で飼育された動物よりも発癌率が高いことが報告されています。
過食は発癌率を高めるといわれています。
癌抑制遺伝子
癌発生を抑制する遺伝子がありますが、これができない、または正常に機能しないと癌発生が起こるとされています。
まとめ
癌の発生には外因と内因がある
内因は遺伝などどうしようもないこともある
外因はできる限り避けて癌の発生を防ごう