ランニングをしているとアキレス腱のあたりに痛みを感じることがありますよね。
アキレス腱って名前はよく聞くけど、詳しいことはあまり考えませんよね。今回はアキレス腱に関連する痛みの原因と対策などについて書いていきます。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
アキレス腱とは
まずはアキレス腱について簡単に説明します。
アキレス腱はふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)の停止腱として踵の骨についているものです。腓腹筋やヒラメ筋が収縮するとアキレス腱を介して踵骨を引き上げ、足関節の底屈に働きます。
アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎
アキレス腱の炎症にはアキレス腱自体の炎症であるアキレス腱炎と、アキレス腱を包んでいるパラテノンという組織の炎症であるアキレス腱周囲炎があります。
この2つの鑑別は非常に困難です。
症状
運動の始めや運動後のアキレス腱の痛みがあります。また、アキレス腱を伸ばす動作でも痛みがあります。
原因
ランニングのようなアキレス腱に繰り返しの負荷が加わることで発生します。具体的には足関節の底背屈の繰り返しでアキレス腱にストレスが加わることが影響します。
また、回内足や扁平足のような足のアライメント不良、下腿三頭筋の柔軟性の低下も発生に関係します。
治療、対策
まずはランニング動作の休止など患部の安静が第一です。
下腿三頭筋のストレッチで筋肉の柔軟性を高めてあげましょう。ストレッチでは膝関節を伸ばしたままの状態と、曲げた状態の両方をやるようにしましょう。ふくらはぎの浅層と深層の筋肉の両方をケアすることが大切です。
また、つま先の向きでもストレッチに違いがあります。つま先を内側へ向けると腓腹筋の外側頭がよく伸びます。反対につま先を外側へ向けると、腓腹筋の内側頭がよく伸びます。
足底板の使用も有効です。踵を少し高くすることでアキレス腱の緊張を緩めることができます。
アキレス腱滑液包炎(ハグルンド病)
アキレス腱の踵骨付着部には、腱部の摩擦を軽減するための滑液包炎というものがあります。この部分が炎症を起こし痛む場合があります。
症状
アキレス腱付着部の痛みや歩行時に痛みがあります。場合によってはアキレス腱付着部に腫瘤を認めることもあります。
原因
長時間の歩行などにより、アキレス腱と滑液包炎の摩擦や圧迫で炎症を起こします。
多くは靴の不適合による影響が大きいです。
治療、対策
足に合う靴に交換することで解決する場合が多いです。患部に直接刺激が加わらないものを選びましょう。
場合によっては足底板を使ったり、パッドを使用して圧力を分散することも有効です。
アキレス腱断裂
スポーツ活動での発生が多いです。なんとなく激しいスポーツをするアスリートに多いイメージがありますが、実は中年以降に多いケガです。
若い人よりも中年に多い理由は、腱の変性が影響するためです。
症状
アキレス腱断裂には不全断裂と完全断裂があり、完全断裂の場合が多いです。断裂部位はアキレス腱狭窄部が最も多く、次いで筋腱移行部の断裂が多いです。
受傷時にボールがぶつかったような感覚があり、アキレス腱の断裂音を聞くことがあります。患部には陥凹を触れることができますが、時間の経過によっては患部が腫れ触れなくなることもあります。
通常の歩行はできませんが、ベタ足の歩行は可能です。
原因
ジャンプの着地のようにアキレス腱に強い張力が加わるときに発生しやすいです。先述した通り、多くは腱の変性が関わるため中年に多いです。
これから運動会があるお父さん気をつけましょう。
治療、対策
アキレス腱の断裂は医療機関で適切に対応してもらいましょう。
膝関節軽度屈曲位、足関節最大底屈位でアキレス腱の緊張を緩め固定します。症状に合わせて足関節の角度を戻していきます。
筋力低下を防ぐため、受賞後早期から物理療法や等尺性収縮運動を行います。腱の癒合状況に合わせて、自動運動、抵抗運動、歩行訓練を始めていきます。
予防として、運動前に十分なウォーミングアップを心がけましょう。先述したようなストレッチを日頃から心がけ、筋肉の柔軟性を維持していきましょう。
まとめ
アキレス腱炎は下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)の腱
足のアライメントや筋肉の柔軟性に注意しよう!シューズを変えるのもひとつの手段!
アキレス腱の断裂は、腱の変性が影響するため中年以降が多い!入念なウォーミングアップを忘れずに!