息切れ、胸の痛みは弁膜症かも!症状をかんたんに説明!

健康

弁膜症についてかんたんに書いていきます。

今回は僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症にわけて書いていきます。

僧帽弁狭窄症

僧帽弁は左心房と左心室を隔てる弁です。

僧帽弁が狭窄するので、左心房から左心室への血流が障害される疾患です。

原因

リウマチ熱の後遺症として発症します。20〜40代女性に多くみられますが、近年減少しています。

症状

肺うっ血による息切れ、血痰がみられます。

また、心房細動を併発しやすく、左房内血栓を生じると脳塞栓など塞栓症を起こすことがあります。

診断

聴診でⅠ音(心臓の音)亢進、拡張期ランブル(低い雑音)があります。

レントゲンでは肺うっ血の所見があります。

心エコーでは僧帽弁の輝度亢進、狭窄があります。

治療

心不全に対して強心薬、利尿薬を投与します。

心房細動では、ワルファリンなど抗凝固薬を投与します。

外科的治療として、僧帽弁交連切開術、石灰化が強い例では僧帽弁置換をおこないます。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁の閉鎖不全により、左心室から左心房に血液が逆流します。

原因

リウマチ熱によって発症するものは近年減少しました。

心筋梗塞後や加齢に伴って弁の変性を生じて発生するものが増加しています。

症状

労作時の呼吸困難、起座呼吸(寝ると呼吸しづらいので上半身を起こす)、発作性の夜間呼吸困難があります。

重症化すると、肝腫大、腹水、浮腫をきたします。

心房細動を合併すると動悸、息切れが生じます。

診断

聴診で心尖部に全収縮期逆流性雑音を聴取します。

X線で心拡大を認めます。

心エコーで、僧帽弁の異常と逆流を認めます。

治療

心不全に対する内服治療をおこないます。

心房細動には抗凝固薬を投与します。

外科的治療として僧帽弁形成術、僧帽弁置換術をおこないます。

大動脈弁狭窄症

大道脈弁は左心室と大動脈を隔てる弁です。

その弁が狭窄するので、収縮時に左心室から大動脈への血流が障害されます。

原因

リウマチ熱、先天性二尖弁、動脈硬化による弁の石灰化によって弁が開かなくなって起こります。

症状

息切れ、呼吸困難、狭心痛、失神発作などがあります。

診断

聴診でⅡ音の異常(減弱など)、収縮期区出性雑音を聴取します。

心エコーで、大道脈弁の肥厚、石灰化による開放制限、大動脈口面積の減少などをみます。

治療

狭心症、失神発作、心不全あるいは心室機能低下があれば大動脈弁置換術をおこないます。

大動脈弁閉鎖不全症

原因

リウマチ熱、加齢、感染性心内膜症などによる弁の器質的変化、上行大動脈起始部拡大などにより起こります。

症状

動悸、呼吸困難、息切れ、狭心痛などがあります。

診断

聴診で第3肋間胸骨左縁の拡張期灌水様雑音を聴取します。

心エコーで大動脈弁の肥厚、石灰化と逆流を認めます。

治療

心不全に対して内服治療をおこないます。

大動脈弁形成術、大動脈弁置換術をおこないます。

まとめ

加齢、動脈硬化などによる弁の変性で起こることがある!

僧帽弁狭窄症では心房細動→血栓形成→塞栓症を起こすこともある!

息苦しさや胸の痛みには要注意!

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