走っていたら足を捻挫してしまったなんてことありますよね。
捻挫は足の怪我のなかでもよくある怪我です。
捻挫したときの対処法はどうしていますか?適切に処置されれば競技の復帰も早くできます。
今回は捻挫(足関節外側側副靭帯損傷)の症状と治療について書いていきます。参考にしてみてください。
外側側副靭帯損傷
外側側副靭帯損傷は簡単にいえば捻挫です。足を内返しにくじいたときに発生します。
外側側副靭帯とは
まず外側側副靭帯とは足関節(距腿関節)の外側を補強している靭帯です。
前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯があります。
これらのうち捻挫したときもっとも損傷されることが多いのは前距腓靭帯です。
症状
足関節の外側に疼痛、腫脹があります。腫脹の程度は損傷の程度と比例しないこともあります。
表在性の損傷は軽症でも腫脹が強く、深い損傷では腫脹が弱いこともあります。
時間の経過とともに外くるぶしの下方に皮下出血も見られます。
また、足を内返しさせると疼痛が誘発されます。
重症例では疼痛のため歩くことも難しくなります。
治療法
怪我をした直後から3日以内の急性期にはRICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)をおこない、炎症や腫れを最低限に抑えます。
損傷の程度によって患部が動揺しないように固定します。固定はテーピング程度のものもあれば金属副子などを用いて固定する場合もあります。
完全断裂のような重症例では約6週間ほどの長期の固定が必要になることもあります。
急性期が過ぎたら
急性期が過ぎたら物理療法や運動療法をおこないます。
固定期間中でも、足関節部の等尺性収縮運動(関節の角度を変えないようにその場で力を入れる)や足の指の運動は早期から行うといいでしょう。
固定がとれたら
固定がとれたら足関節を動かしていきましょう。今までの固定によって関節が固まってしまうのを防ぐためです。
また腓骨筋群の運動をおこない外返し運動の回復をおこないましょう。
神経と筋の協調性を高めるためのバランスボードなどを用いたDYJOC(ディジョック・動的関節制御)訓練も有効です。
再発防止
高いレベルで競技をしている人は、受傷後3〜6ヶ月はサポーターやテーピング固定をおこない再発防止に努めましょう。
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外側側副靭帯損傷と見誤りやすい怪我
外側側副靭帯損傷はほかの怪我と見誤られたり、合併症の見落としがあることもあります。
なかなか痛みが引かない場合は、見落としによって全く違う場所を治療していたなんてこともあります。
鑑別が必要な怪我は以下のようなものがあります。
・二分靭帯損傷
・外果(外くるぶしのこと)裂離骨折・骨端線離開
・第5中足骨基部裂離骨折
・踵骨前方突起骨折
・距骨骨軟骨骨折 など
まとめ
外側側副靭帯損傷はかんたんにいえば足関節の内返し捻挫!
受傷後3日以内はRICE処置、固定が取れたら関節を動かして拘縮予防!
鑑別、合併症の見落としに注意!