赤ちゃんに見られる反射について簡単にまとめます。
参考にしてみてください。
目次
赤ちゃん特有の反射がある理由
出生直後は、脳や神経が発達していないので、赤ちゃん特有の反射や反応が見られます。
反射は、意志とは無関係に起こる運動行動です。
制御機能が発達するとなくなる
反射を制御する中枢は脊髄、延髄、中脳、橋、間脳、大脳皮質とさまざまな部位にあります。
赤ちゃんはまだ上位の中枢神経が未発達ですが、それらが発達してくると赤ちゃん特有の反射は消失します。
障害の発見の目安になる
原始反射が本来出現するべき時期に出現しない場合や、消失するべき時期以降にも反射が見られる場合は何らかの障害を疑います。
原始反射
モロー反射
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、後頭部を手で支え床からわずかに話します。
その手を放して頭を落とすと、上肢の伸展・外転、手指の伸展が起こり、続いて上肢の内転が見られます。
生後〜5ヶ月頃まで見られます。未熟児にも見られます。
反射の出現・消失の遅れ、亢進、消失、左右非対称は病的と捉えます。
ガラント反射
赤ちゃんをうつ伏せにして空中で抱っこします。
脊椎側方の皮膚を上方から下方へ指先でこすって刺激すると、刺激側へ体幹が屈曲します。
生後〜2・3ヶ月頃まで見られます。未熟児にも見られます。
踏み直り反射(足の台乗せ反応)
赤ちゃんをさせて、足の甲がテーブルなどの端にふれるようにします。
すると赤ちゃんは下肢をあげてテーブルの上に足をおきます。
踏み直り反射は生後9ヶ月頃には弱くなりますが、大人になっても続きます。
未熟児では反射の出現が遅れます。
足踏み反射
赤ちゃんを垂直に支え、足底を床につけます。すると、両足で足踏み運動をし、あたかも歩いているようにみえます。
生後〜1・2ヶ月頃まで見られます。
未熟児では反射の出現が遅れます。
手掌把握
赤ちゃんの手掌の小指側から、棒や指を差し出すと握り返します。
生後〜3・4ヶ月頃まで見られます。
未熟児では反射の出現が遅れます。
足底把握
足の裏から趾をこすると、趾が曲がります。
足底反射は、体重支持ができるようになる頃(9ヶ月頃)になくなります。
交差性伸展反射
片方の足底をこすると、反対側の下肢が伸展します。
生後〜4ヶ月くらいまで見られます。未熟児にも見られます。
非対称性緊張性頸反射
仰向けに寝かせ、頭を回旋させます。回旋させた側(顔が向いている側)の上肢下肢は伸展し、反対側は屈曲します。
3ヶ月頃〜6ヶ月頃まで見られます。
正常児ではこの反射は弱いです。
ランドウ反射
赤ちゃんをうつ伏せにして空中で支えると、頭部、脊椎、下肢が伸展します。
さらに頭部を前屈させると股関節、膝、肘が曲がります。
4ヶ月頃〜12ヶ月頃まで見られます。
生後出現し、大人になっても持続する反射
下肢伸展反射
足底が床にふれると、体幹、下肢がまっすぐになります。
生後2ヶ月頃に一旦消失し、6〜8ヶ月頃に足底反射(足の裏から趾をこすると、趾が曲がる反射)の消失に伴って再び見られます。
バランス反応ー座位
赤ちゃんを座らせ側方や後方に傾けます。すると転倒を防ぐように上肢が伸展・外転します。
6ヶ月頃から見られます。
バランス反応ー立位
立位の赤ちゃんを側方へ傾けます。すると店頭を防ぐように上肢・下肢の伸展・外転します。
6ヶ月頃から見られます。
パラシュート反応
うつ伏せで空中に支えます。その状態から突然、頭を床に近づけると、上肢が前方へ伸びます。
6ヶ月頃から見られます。
生後から永続する反射
足底反射
足底外側をかかとから母指球へこすります。
乳幼児では足趾の開排と伸展がおきます。12〜18ヶ月以降では足趾の屈曲に変化します。
2歳以降で開排と伸展の反応パターンは病的と判断します。
腱反射
膝蓋腱反射などの腱反射は赤ちゃんでも確認できます。
大人になっても腱反射は見られます。腱反射の亢進、消失は病的と判断します。
まとめ
出生後から大人まで永続的に残る反射は、踏み直り反射、足底反射、腱反射
生まれた直後にはないけど、徐々に出現して大人まで永続的に残る反射は、バランス反応座位・立位、パラシュート反応(下肢伸展反射も途中で一度消失するけど再度あらわれ持続する)