ICIDHとICFの違いについてかんたんに説明します。
参考にしてみてください。
目次
リハビリテーション医学における障害のレベル
ICIDHとICFはどちらも、リハビリテーション医学で対象とする障害を、3つのレベルにわけてとらえようとしたものです。
ICIDHとは
ICIDHは国際障害分類のことです。
機能障害、能力低下、社会的不利と表現して3つのレベルにわけています。
ICFとは
ICFとは国際生活機能分類のことです。
ICIDHを改定し、分類の内容も表現の仕方を変えています。
ICFでは、心身機能・構造、活動、参加という表現をしています。
ICIDHとICFの違い
どちらも障害の分類ですが、ICIDHでは、負の側面を表現し、ICFではプラスの面を見て表現していると言えます。
もう一度それぞれの分類の仕方を確認しましょう。
ICIDHは、
機能障害
能力低下
社会的不利
ICFは、
心身機能・身体構造
活動
参加
ICFの方がプラスの面を捉えている印象ですね。
障害の分類の内容とアプローチ
ICIDHもICFも3つのレベルに分類しています。
その3つ内容をかんたんに説明します。()はICFでの分類表記
機能障害 (心身機能・身体構造)
障害の1次レベルです。
身体の構造、外観、器官の機能異常です。
原則として、機能障害は器官レベルにおける変調を示します。
すなわち、病気や外傷により直接生じてくる障害です。
一時的なものと永続的なものがあります。
機能障害に対するアプローチ
運動機能の改善
麻痺の回復や運動障害の回復促進
合併症の予防や治療
これらのような治療的アプローチが行われます。
能力低下(活動)
障害の2次レベルです。
1次レベルである「機能障害」の帰結として、個人による機能的遂行力や活動に対する影響が起こったものです。
人間にとって正常とみなされうる方法や範囲内で、活動する能力が制限されている状態や欠損している状態です。
一時的なものと永続的なもの、可逆的なものと不可逆的なもの、進行性のものと退行性のものなどの区別があります。
能力低下に対するアプローチ
各種動作の能力向上を図ります。
義肢や装具、車椅子、自助具などの利用により、個人の能力を高めます。
つまり、能力低下に対しては、代償的・適応的なアプローチが行われます。
社会的不利(参加)
障害の3次レベルです。
機能障害や能力低下の結果として、個人が経験する不利です。
個人とその環境との間での相互作用、環境に対する個人の適応を反映します。
年齢、性別、社会文化的要素により決まります。
社会的不利に対するアプローチ
家族や友人などの人的な環境整備のほか、家屋や職場などの物的な環境整備が必要です。
障害者に環境を合わせることで、リハビリテーションの効果を高めることを狙います。
法的、福祉的な環境整備・改善も含みます。
まとめ
IDIDHもICFも障害のレベルの分類。表現方法が違うだけ。
1次レベルには、治療的アプローチ。
2次レベルには代償的・適応的アプローチ。
3次レベルには環境整備的アプローチ。