耳と口がつながってるって知ってますか?
エレベーターとかで耳がボーっとした時に、あくびすると戻るじゃないですか?
あれは、耳と口がつながっていて口を開けることで、外気の圧力を等しくするから元に戻るんです。
今回はそんな耳の構造について簡単に書いていきます。
参考にしてみてください。
目次
聴覚器
音は空気の振動です。
音波を感知する聴覚器は外耳、中耳、内耳からなります。内耳には体の位置や運動を感知する平衡器を含みます。
これらをまとめて平衡聴覚器 といいます。
体の動き(回転)や空気の振動は、リンパの流れになり、その動きが有毛細胞の毛の曲がりによって検出されます。
外耳とは
外耳は耳介と外耳道からなります。
耳介は集音器として働き、なかに耳介軟骨を含みます。
外耳道の長さは約2.5センチで、鼓膜に音を伝える伝音器の働きがあります。
外耳道は外1/3は軟骨、内2/3は側頭骨です。
中耳とは
鼓膜と耳小骨とそれを入れる鼓室、耳管からなります。
耳管は咽頭とつながっています。
鼓膜とは
外耳道と鼓室を隔てる円形の薄い膜です。空気の振動を最初に検出する部分です。
径約10mm、厚さは0.1mmほどです。
鼓膜の外耳道側は皮膚、鼓室側は粘膜で覆われます。
鼓室とは
鼓膜の奥の腔所です。
鼓室の内側は、内耳に接し、前庭窓、蝸牛窓が開孔します。
鼓室内には、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の耳小骨があります。
ツチ骨は鼓膜に直接付着します。
アブミ骨は底部が前庭窓に収まっています。
音(空気の振動)は鼓膜に伝わり、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の順に伝わり、前庭窓を介して内耳蝸牛のリンパの動きに変えられます。
ツチ骨には鼓膜張筋が、アブミ骨にはアブミ骨筋があります。
耳管とは
長さ30mmの粘膜に覆われた管です。
鼓室側で耳管鼓室口、咽頭側で耳管咽頭口に開きます。
内耳とは
内耳は側頭骨錐体のなかにあります。
骨迷路は錐体内部にある複雑な骨の腔所で、前方より蝸牛、前庭、半規管からなります。
骨迷路のなかに膜迷路という袋があり、そのなかにリンパ液を入れています。
骨迷路と膜迷路の間には、外リンパ液が流れます。
蝸牛とは
前庭の前方にあるカタツムリのからに似た骨腔です。
そのなかにほぼ同じ形の膜迷路を含み、これは3層の部屋に分けられています。
一番上の層が前庭階で、前庭窓からつらなります。
一番下の層が鼓室階で、蝸牛窓につらなります。
これら2つの階は蝸牛の頂上で(蝸牛頂)で連絡し、外リンパに満たされます。
前庭階と鼓室階の間に蝸牛管が挟まれていて、内リンパで満たされます。
蝸牛管の内部にはコルチ器という感覚装置があり、基底板の上に乗っています。ここに有毛細胞があります。
音が伝わる仕組み
鼓膜、耳小骨を経て、前庭窓に伝えられた音波は、外リンパの動きとして前庭階から蝸牛頂に向かいます。
その後、鼓室階を下行し、蝸牛窓で消失します。
このリンパの動きは、基底板を振動させ有毛細胞の毛(聴毛)を動かします。
蝸牛の基部は高い周波数を、蝸牛頂に向かうにつれて低い周波数を検知します。
前庭とは
鼓室のすぐ内側にある骨洞で、鼓室との間に前庭窓があります。
球形囊と卵形囊の2個の膜迷路をおさめます。
囊の一部は平衡斑という感覚上皮で有毛細胞を含みます。
平衡感覚の仕組み
有毛細胞の毛は平衡砂を含むゼリー状の物質のなかに埋まっています。
頭を傾けると平衡砂がずれて有毛細胞の毛が曲がり、頭が重力に対してどちらを向いているかなどを検知します。
半規管とは
U字状に走る3本の骨管で、前庭につらなります。
内部に前・後・外側の膜半規管をいれます。
回転を検知する仕組み
膜半規管の一端は卵形囊につらなるところでふくらみ(膨大部)を作ります。
そこに有毛細胞があり、膨大部稜を作ります。
内リンパの動きで有毛細胞の毛は曲げられ、回転(角速度)を感知します。
平衡覚中枢と聴覚中枢
卵形囊、球形囊、膜半規管にある有毛細胞の興奮(平衡覚・回転・角速度)は、前庭神経を伝わり中枢へ向かいます。
蝸牛管にある有毛細胞の興奮(聴覚)は蝸牛神経を伝わり中枢へ向かいます。
二つの神経を合わせて内耳神経といいます。
まとめ
外耳、中耳、内耳からなります。内耳には体の位置や運動を感知する平衡器を含む。
体の動きや空気の振動は、リンパの流れになり、有毛細胞の毛の曲がりによって検出される。
平衡覚・回転・角速度は、前庭神経で、聴覚は蝸牛神経が興奮を伝える。