脳梗塞についてかんたんに説明していきます。
参考にしてみてください。
目次
脳梗塞とは
まず、梗塞という言葉の意味を知っておきましょう。
梗塞とはかんたんに言えば、血管が閉塞して、酸素や栄養が組織に届かなくなり、細胞組織が壊死してしまう状態です。
脳梗塞といえば、それが脳で起こった状態、心筋梗塞といえば心臓で起こった状態というわけです。
脳梗塞の分類
脳梗には分類があります。
①アテローム血栓性脳梗塞
②心原性脳塞栓症
③ラクナ梗塞
それぞれについてかんたんに書いていきます。
アテローム血栓性脳梗塞とは
全身性アテローム硬化症の一部分と認識されます。
原因で考えられるもの
ほとんどの場合、動脈硬化症の背景となる高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、喫煙習慣などの生活習慣病や危険因子が存在します。
そのため、冠動脈疾患、閉塞性動脈硬化症などを合併することもあります。
発症
発症形式として、一過性脳虚血発作(TIA)が先行することがあります(20〜30%)。
短時間の片方の目の視力消失発作(一過性黒内障)は頸動脈病変に特異的な一過性脳虚血発作です。
また、50%の症例に発症後階段状の進行・悪化が認められます。そのため進行性脳卒中とも呼ばれます。
なかには、次の項目で述べる心原性脳塞栓症と鑑別困難なものもあります。
好発部位
頸部頸動脈分岐部から内頸動脈起始部、サイフォン部、中大脳動脈水平部、椎骨動脈起始部・遠位部、脳底動脈など。
近年は頭蓋外血管病変、頸動脈のアテローム硬化性病変も増加しています。
検査
頸部の超音波検査、MRA、CTAなどが有用です。
心原性脳塞栓症とは
心臓内、特に左心系に形成された血栓が遊離して、脳血管に流れることで発生します。
心疾患や不整脈の存在が診断の根拠になります。
原因で考えられるもの
非弁膜症性心房細動(NVAF)、急性心筋梗塞、リウマチ性心臓病、拡張性心筋症、人工弁、感染性心内膜炎など。
非弁膜症性心房細動(NVAF)が最も多く45%ほどを占めます。
発症
発症形式は突発完成型で、発症時に最も症状が重いです。
脳主幹動脈が突然閉塞するため、側副血行路が発達する時間がなく、大きな脳梗塞になりやすいです。しかも重症例が多いです。
意識障害、失語、失認などの症状もあります。
予後
血管を閉塞した血栓は自然溶解することもあります。
梗塞に陥ったあとの再灌流は、出血性梗塞や脳浮腫悪化の原因になります。
ラクナ梗塞とは
単一の深部穿通枝の閉塞によって生ずる小梗塞と定義されます。
原因と考えられるもの
高血圧との関連が指摘されています。
症状
発生部位は、大脳基底核、橋、視床、放線冠、側脳室外側などでみられます。多発例も多いです。
片麻痺、半身感覚障害や構語障害が多いです。
意識障害、失語、失認などはありません。
まとめ
脳梗塞は脳の血管が閉塞して、細胞が酸素・栄養不足で壊死したもの。
アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞がある。
高血圧や心疾患は脳梗塞の原因になり得る。