脊柱側彎症の症状や治し方についてかんたんに説明します。
なお、治療は必ず専門医の評価、対処に従いましょう。
参考にしてみてください。
脊柱側彎症とは
脊柱側彎症(読み方:せきちゅうそくわんしょう)は、読んで字のごとく脊柱が側方へ彎曲した状態をいいます。
側彎は、単に側方にずれただけでなく、脊椎の回旋や前彎を伴う三次元的な変形となります。
脊柱側彎症は非構築性と構築性の2つに大きく分けることができます。
非構築性側彎症
非構築性は、元となる疾患により二次的に生じた側彎や、習慣性の不良姿勢などが原因です。脊椎自体に異常はありません。
臥位になって重力を除けば、自力で側彎を矯正することも可能です。
疾患や原因が治癒すれば、側彎も治るような可逆性です。
構築性側彎症
反対に、構築性は脊椎自体に原因があって側彎を生じるものです。
非構築性のように自力で矯正はできません。
先天性、神経筋疾患、遺伝性、外傷によるものなどがありますが、もっとも多いのは原因不明の特発性(乳児期側彎症、学童期側彎症、思春期側彎症)です。
もっとも多い特発性側彎症
全側彎症のうち70〜80%を占めます。
多くは成長期に発見され、進行することがあります。
発症年齢によって次のように分類されます。
・乳幼児側彎症(3歳未満)
・学童期側彎症(3〜10歳)
・思春期側彎症(11歳以上)
側彎症の症状、検査
立った姿勢を後ろから見たときの姿で評価します。
肩、骨盤の高さが違う。
どちらかの肩甲骨が浮き出ている。
体幹の側方偏位がある。
胸部の変形。
ウエストラインの左右非対称。
体幹部を前屈したときに肋骨隆起を確認できる。
などが評価項目としてあります。
治療
専門医の指導に従いましょう。
軽症例では、運動療法による経過観察。運動療法の参考動画です。
中等度(Cobb角20°以上)で進行性のものは装具療法。
重症(Cobb角50°以上)のものは手術療法が考慮されます。
リッサーサイン
特発性側彎症は骨の成長期に進行する可能性があるので、骨がもう成長しないかどうか成熟度を確認することが重要です。
そこでリッサーサインが指標になります。
これは、腸骨稜の骨端核が成長し、骨端線が完全に閉鎖したかの指標です。骨端線が閉鎖していれば成長完了のサインといえます。
リッサーサインは5段階評価です。X線撮影の前後像で腸骨稜を4等分します。それぞれ、1、2、3、4とし、すべて揃って5とします。だいたい17〜19歳ころにすべて揃います。
まとめ
側彎症は原因不明の特発性がほとんどを占める。
肩や骨盤の高さ、ウエストラインの非対称などがないか成長期に確認しよう。
早期に発見し、専門医からの評価、対処を受けよう。