急性膵炎についてかんたんにせ説明します。
参考にしてみてください。
急性膵炎とは
なんらかの刺激によって膵臓の実質が破壊され、流出した膵酵素によってさらに膵臓が破壊していく疾患です。
これに細菌感染も加わることがありますが、膵臓の自己消化が疾患の本態と考えられています。
急性膵炎の原因
アルコールの多飲による膵液流出障害、胆石、総胆管結石による胆汁の逆流があります。
しかし原因が不明なものも多く、高脂肪食なども危険因子とされています。
急性膵炎の症状
お腹の上あたりが痛みます。
背中が痛みます。
仰向けで寝ると痛みが増し、座って前屈(エビ姿勢)すると軽減します。
悪心、嘔吐があります。
重症例では、発熱、ショック、意識障害も見られます。
検査
血清、尿中の膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)が上昇します。
腫大した膵臓によって、胆管が狭窄し、閉塞性黄疸が見られることもあります。
腹水もみられます。
重症例では低カルシウム血症がみられます。
血管内血液凝固症候群、多臓器不全も合併します。
プロトロンビン時間延長、血小板減少、クレアチニン・尿素窒素上昇がみられます。
治療
急性膵炎は絶飲食として輸血を行います。
鎮痛薬や膵外分泌・胃酸分泌抑制剤、プロテアーゼ阻害薬、抗菌薬を投与します。
予後
一般的に予後良好で、慢性膵炎になることも少ないです。
しかし、重症例では致死率は約30%といわれています。
慢性膵炎とは
男性ではアルコールによるものが70%を占めます。
女性では60%ほどは原因不明とされ、約20%は胆石によるものといわれています。
症状
お腹の上が痛む、背中が痛むといった症状を繰り返します。
食欲不振、腹部膨満感、悪心・嘔吐のような不定症状もあります。
急性再燃時には、急性膵炎の症状を呈します。
進行すると消化吸収障害による脂肪下痢や二次性糖尿病の症状も出現します。
検査
腹部X線検査で、膵臓に一致した石灰沈着を認めます。
超音波検査やCTでも、膵臓の不整エコー、石灰沈着、膵管の不整拡張を認めます。
治療
慢性膵炎では、疼痛対策が主体になります。
また、消化酵素薬によるタンパク・脂質の消化吸収補助を行います。
急性膵炎再燃時には、急性膵炎同様の治療を行います。
予後
慢性膵炎は治療せず、徐々に進行しますが、生命予後は悪くありません。
しかし、飲酒の継続、糖尿病のコントロール不良が生命予後を悪くします。
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まとめ
お酒飲む人で、上腹部痛、背中が痛む人は膵炎かも。
仰向けで寝ると痛みが増し、前かがみで楽になるのは特徴的な症状。当てはまったら検査、治療しよう。