以前のブログで栄養について知っておいたほうがいいよという話をしました。
今回からはそれぞれの栄養について少し掘り下げて書いていきます。
まずは糖質についてです。ぜひ参考にしてみてください。
糖質はもっとも効率のいいエネルギー源
体を動かすためのエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)という物質ですが、このATPを作るのにもっとも効率のいいのが糖質です。
糖質が使われるのは短距離走のように瞬発的に大きなエネルギーを必要とするときです。
解糖系
糖質は分解されてグルコースになります。
グルコースは解糖系という代謝経路によってATPというエネルギーを生み出します。
この解糖系は短距離走のような無酸素運動をするときに行われます。
で、この代謝産物としてピルビン酸と乳酸が発生します。ピルビン酸はさらにクエン酸回路という代謝経路に入り、有酸素下で再びエネルギーになります。
乳酸はエネルギー源
一方、発生した乳酸は、肝臓で再びグルコースに変換されてエネルギー源となります。まあそれにも限界がありますけどね。
この乳酸の再利用が追いつかなくなると、スピードやパワーの持続ができなくなるんですね。
乳酸の代謝が上手くできるかがポイントですね。
未だに乳酸が疲労物質だと思っている人もいますが、乳酸はエネルギー源です。
推測ですけど、昔は疲れた人の血液検査をしたら乳酸の濃度が高かったので、それで乳酸=疲労物質と考えられたんでしょうね。
ちなみに運動を継続していき、血中の乳酸濃度が急激に上昇する点を乳酸性作業閾値または無酸素性作業閾値といいます。
この閾値をどれだけ高いところへ持っていくかがパフォーマンスに大きく影響します。
そのためのトレーニングとしてインターバルがオススメです。
脂肪もエネルギー源!高エネルギーは作れないが持続性はある!
脂肪もエネルギー源になりますが、スピードやパワーを発揮するときには使われません。
ゆっくりのジョグや歩くときのような強度の低いときのエネルギー源が脂肪です。
ラストスパートの切り替えができる人は、それまで糖質を節約して走っていた人といえます。
長距離においては糖質をいかに節約して走るかが重要です。
そのために効率のいいフォームを身につけることも必要といえます。
また糖質は食べたあと消化、吸収されますがこのときグリコーゲンというものに変化して肝臓や筋肉に貯蔵されます。
このグリコーゲンの貯蔵量が多ければ、長時間の運動にも耐えることができるといえます。
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糖質は脳の栄養でもある
空腹のまま走ればエネルギー源がないので疲れるのは当然です。
このとき体を動かすように指令を出している脳にとってもエネルギー源がない状態といえます。
そのため集中力が低下し、練習の効率が悪くなります。
糖質が分解されたブドウ糖は脳にとっての大切なエネルギー源です
極度のダイエットをして糖質が不足しているときは、代わりに脳のエネルギー源となるものもあります。それは脂質を分解して発生するケトン体というものです。
しかし大量にケトン体が発生すると体のpHが酸性になって腎臓に負担がかかるので極度の糖質制限は危険です。
まとめ
糖質はエネルギー源として即効性があって有能!
スピードやパワーの持続は乳酸の代謝がポイント!
脳にとっても必要なエネルギー源!