指先には末節骨という骨があります。
この骨の骨折について簡単に説明していきます。
参考にしてみてください。
目次
末節骨骨折とは
末節骨は指骨の中で一番外傷を受けることが多いです。手の骨の骨折でも半分以上がこの末節骨の骨折と言われています。
特に第3指が多く、次に第1指です。
直達外力による発生が多いです。
末節骨骨折の症状
骨折部の腫脹、圧痛、皮下出血、遠位骨片の掌側転位があります。
爪の下の血腫(爪下血腫)による強い疼痛も特徴です。
末節骨骨折の転位
深指屈筋腱付着部より近位での骨折では、近位骨片は背側転位、遠位骨片は掌側転位します。
深指屈筋腱付着部より遠位での骨折では、転位はほとんどありません。
固定方法
基節骨から指尖までの範囲を2〜4週間ほど固定します。
マレットフィンガーとは
マレットフィンガーは、野球、バレーなどの球技中にいわゆる突き指として多く発生します。
またの名をベースボールフィンガー、ドロップフィンガーともいいます。
適切に処置されれば、治癒しますが、放置すると永続的な機能障害(DIP伸展障害、指先が伸ばせなくなる)が残るので注意が必要です。
発生機序
末節骨基部背側に終止腱が付着しており、DIPの屈曲強制により、腱が断裂を起こしたり、付着部の骨の裂離骨折を起こします。
マレットフィンガーの分類
1型は終止腱の断裂です。
2型は終止腱の停止部での裂離骨折です。
3型は末節骨の背側関節面を含む骨折です。
症状
DIPの腫脹、疼痛、伸展障害
治療法
1、2型の固定肢位はMP軽度屈曲、 PIP90屈曲、DIP過伸展位で固定します。
保存療法で治癒することがほとんどです。
3型は、骨片に含まれる関節面が3分の1以上を占める脱臼骨折です。観血療法(手術)になることが多いです。
固定肢位は、PIP屈曲、DIP伸展位とします。
マレットフィンガーの固定期間
1型は長く、6〜8週間かかります。
2、3型は5〜6週間です。
後療法
自動運動、温熱療法などがあります。
受傷後、整復後、手指に腫脹が出現します。これを放置すると、靱帯や腱が癒着し動かなくなります。
拘縮を予防するためにRICE処置を行い、固定されていない部分は早期から動かします。
まとめ
末節骨骨折は指の骨折で最多。特に第3指が多い。
マレットフィンガーは1型が治るまで長い。
1、2型と3型のDIPの固定肢位が過伸展と伸展で違う