骨腫瘍とは?悪性骨腫瘍と良性骨腫瘍の症状、発生年齢などかんたんに説明

健康

骨腫瘍についてかんたんに説明します。

参考にしてみてください。

骨腫瘍とは

骨を構成する組織(骨、軟骨、線維組織、骨髄、血管など)から発生する腫瘍です。

原発性悪性骨腫瘍は、骨肉腫、軟骨肉腫、骨髄腫、ユーイング肉腫。

続発性悪性骨肉腫は、癌の骨転移です。

骨腫瘍の好発年齢

骨肉腫、ユーイング肉腫、良性骨腫瘍は若い人に多いです。

一方、骨髄腫や癌骨転移は50歳以上に多いです。

骨腫瘍の好発部位

原発性骨腫瘍は長管骨の骨幹端部に好発します。

癌の骨転移は、体幹の骨(脊柱、骨盤、肋骨、肩甲骨)に好発します。

画像診断

基本的にはX線です。

補助的にCT、 MRI、骨シンチグラフィなどを使うこともあります。

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骨肉腫

原発性悪性骨腫瘍で最も多いです。

10歳代に多く発生します。

膝の周囲、上腕骨近位になど長管骨骨幹端部に多いです。

症状

持続または進行する疼痛、運動痛、腫瘍、熱感があります。

X線写真では、スピクラ、コッドマン三角、たまねぎ様骨膜反応、不規則な骨融解・腫瘍性骨形成像が見られます。

5年生存率は60%。

軟骨肉腫とは

原発性悪性骨腫瘍で2番目に多いです。

40歳以降の男性に多いです。

大腿骨近位、骨盤、肋骨、上腕骨近位に好発します。

症状

X線で骨破壊、溶骨像、石灰化巣や骨硬化像を伴います。

骨軟骨腫から発生する、二次性軟骨肉腫では、カリフラワー状の腫瘍内石灰化巣の増大がみられます。

化学療法、放射線療法は効きにくいですが、広範切除が必要です。

ユーイング肉腫

骨肉腫より悪性度が高いです。

幼児〜10歳代の子供に多いです。

長管骨の骨幹部、骨幹端部、骨盤に好発します。

症状

疼痛、腫脹、熱感、発熱、白血球増多、CRP増加など炎症症状がみられます。

また、コッドマン三角、たまねぎ様骨膜反応もみられます。

化学療法、放射線療法が有効です。

骨髄腫

未分化形質細胞が、骨内に多発性、腫瘍性に増殖します。

症状

骨の破壊などによる疼痛や病的骨折、脊椎の圧迫による腰背部痛がみられます。

骨髄機能の低下による貧血症状、全身倦怠感、易感染性、体重減少などの症状がみられます。

血清蛋白(M蛋白)が増加、尿中ベンスジョーンズ蛋白体が出現します。

X線では、多発の骨透過像(パンチアウト像)がみられます。

癌骨転移

すべての骨腫瘍の中で最も多いです。

50歳以上に多いです。

男性では、肺がん・前立腺癌、女性では乳がん・肺がんからの転移が多いです。

男女総合では、肺がん・乳がんの順です。

脊椎、骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨に好発します。

症状

好発部位での疼痛や病的骨折も発生します。

溶骨性の病変です。

前立腺癌、乳癌、肺がんの一部は造骨性病変になります。

脊髄腫

30〜50歳代に多いです。

仙椎、頭蓋底斜台、脊椎に発生しやすいです。

骨組織球症

好酸球性肉芽腫、ハンドシューラークリスチャン病、レッテラーシーベ病の組織球(ランゲルハンス細胞)の増生を主体とする病状の総称です。

ハンドシューラークリスチャン病、レッテラーシーベ病は悪性です。

好酸球性肉芽腫

10歳未満に多いです。

肺の病変、カルベ椎を起こします。

ハンドシューラークリスチャン病

地図状頭蓋・眼球突出・尿崩症の3徴候が特徴です。

レッテラーシーベ病

幼少時に発症します。

肝脾腫、発熱、貧血を起こし、数ヶ月で命をおとします。

骨巨細胞腫

ここからは良性腫瘍です。

骨巨細胞腫は男女差なく骨端線閉鎖以降の10〜40歳代に好発します。

長管骨骨幹端部に多いです。

再発性が高く、転移もあります。

症状

X線で病的多房性の透過像(ソープバブル)がみられます。

病的骨折、骨皮質の菲薄化、膨隆がみられます。

骨軟骨腫

良性骨腫瘍で最も頻度が高いです。

単発性と多発性があります。多発性は悪性化に注意が必要です。

10歳代に多く発生します。

長管骨の骨幹端部に多いです。

症状

カリフラワー像、軟骨帽がみられます。

疼痛があります。

成長期に増大し、神経、腱などを圧迫することもあります。

内軟骨腫

手指、足趾に多く発生します。

単発性と多発性があり、多発性は悪性化に注意が必要です。

症状

病的骨折を起こすことがあります。

一側の上下肢に多発するものをオリエール病といい、悪性化のリスクがあります。

多発性の内軟骨腫に血管腫が合併したものをマフチー症候群といい、悪性化のリスクがあります。

類骨肉腫

10〜20歳代に多いです。

四肢の長管骨に多いです。まれに脊椎にも発生します。

症状

激痛があります。

X線では、ニードゥスという骨透過像とその周囲の反応性骨硬化像が特徴です。

軟骨芽細胞腫

骨端線閉鎖前の大腿骨、脛骨、上腕骨にまれに発生します

症状

X線で、腫瘍細胞の周囲に輪状石灰化がみられます。

単発性骨嚢腫

幼少児から小児の長管骨骨幹端部(特に上腕骨近位)、または踵骨に発生します。

骨内に液体を入れた空洞・骨囊病変です。

症状

病的骨折を起こします。

X線上に病的骨透過像、骨皮質の皮殻化、膨隆がみられます。

線維性骨異形成

腫瘍類似疾患です。

骨形成障害と考えられています。

青少年の長管骨骨幹部や肋骨に発生します。

症状

X線で擦りガラス様の骨透過像。骨皮質の皮殻化、膨隆があります。

また、大腿骨近位では羊飼いの杖様変形(shepherd’s crook deformity)をきたします。

カフェオレ斑や二次性徴の早熟などを合併するものをアルブライト症候群といいます。

頭蓋骨病変があると、眼球突出、神経症状がみられます。

まとめ

骨肉腫、ユーイング肉腫、良性骨腫瘍は若い人に多い。

一方、骨髄腫や癌骨転移は50歳以上に多い。

長管骨骨幹端部に多く、疼痛、病的骨折をきたすものもある。

癌の骨転移によるものは男性では、肺がん・前立腺癌、女性では乳がん・肺がんからの転移が多いです。

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