今回は頸神経叢の話を書いていきます。
頸神経叢は、頸や横隔膜などの運動を担当するほか、後方の頭部から肩にかけての感覚を担当しています。
ちなみに横隔膜は呼吸に関わる筋肉です。もし上位の頸椎を損傷すると、場合によっては横隔膜を支配している神経もやられてしまい、呼吸ができなくなるので注意が必要です。
神経叢の話は今回で3話目ですね。ほかの記事も読んでみてくださいね。
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目次
頸神経叢とは
C1〜C4の神経で構成される
頸神経叢は第1頸神経から第4頸神経の前枝で作られます。
これらの神経が吻合しあい、筋肉を支配する神経や感覚を支配する神経を作っています。
頸神経叢の筋枝(C1〜C3)
まず筋肉を支配する筋枝について書いていきます。筋枝は頸神経ワナと呼ばれるものと横隔神経があります。
頸神経ワナ
頸神経ワナは上根(C1〜C2)と下根(C2〜C3)で構成されます。上根は第Ⅻ脳神経の舌下神経に枝を出した後で再び分かれます。
頸神経ワナは舌骨下筋群を支配しています。舌骨下筋群は舌骨の下方にある筋肉です。胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋があります。
横隔神経(C3〜C5)
横隔神経はC3〜C5の神経からできています。
前斜角筋の前を通り、胸腔内へ入り横隔膜の上面に達します。
横隔膜は膜という名前がついていますが筋肉なんです。横隔膜が収縮すると、胸郭が広くなり肺が膨らんで息を吸うことができます。
横隔膜の起始・停止、作用など
起始 第1〜3腰椎椎体前面、第7〜12肋軟骨内面、胸骨剣状突起後面
停止 腱中心
作用 呼吸(通常吸気、強制吸気)、腹圧負荷
支配神経 頚神経叢の横隔神経(C3〜5)
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そのほかの頸神経の支配筋
このほかにも頸神経の枝で支配されていると表現されている筋があります。
オトガイ舌骨筋、頸長筋、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋
頚神経叢を構成するのは前枝ですが、後枝で支配される筋肉があります。首の後ろや背中あたりにある筋肉が該当します。
頸・頭板状筋、最長筋、腸肋筋、頭半棘筋、大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋
頸神経叢の皮枝
頸神経叢の皮枝は首の後ろや鎖骨の上あたりの感覚を担当しています。
小後頭神経(C2〜C3)
小後頭神経はC2〜C3の枝からできています。
耳の少し上の側頭部から後頭部の下方あたりの感覚を担当しています。
大耳介神経(C3〜C4)
大耳介神経はC3〜C4の枝からできています。
耳の下あたりの感覚を担当しています。
頸横神経(C3)
頸横神経はC3の枝からできています。
首の前あたりの感覚を担当してます。
鎖骨上神経(C3〜C4)
鎖骨上神経はC3〜C4の枝からできています。
首の下部から鎖骨上部、肩の上部あたりの感覚を担当しています。
まとめ
頸神経叢はC1〜C4で構成されいる
筋枝は頸神経ワナ(C1〜C3)と横隔神経(C3〜C5)
皮枝は小後頭神経(C2〜C3)、大耳介神経(C3〜C4)、頸横神経(C3)、鎖骨上神経(C3〜C4)