股関節周りの筋肉まとめ!屈筋群、伸筋群、内転筋群、外転筋群、深層外旋6筋の起始・停止

ランニングフォーム

今回は股関節周りの筋肉について書いていきます。

 

股関節周りの筋肉は骨盤と大腿骨や脛骨をつなぐ筋肉なので、歩行はもちろんランニングの動作でとても大切な働きをする筋肉です。

 

股関節周りの筋肉にはどのようなものがあるか部位別に書いていきます。外側、内側、前部、後部に分けて書いていきます。

股関節外側の筋肉

まずは中・小殿筋です。これらは股関節の外側にある筋肉です。

中殿筋、小殿筋

大殿筋の下層に中殿筋があり、さらにその下層に小殿筋があります。

太ももを横へあげる(外転)すると骨盤の横で緊張を感じるふくらみが中殿筋です。

中殿筋
起始 腸骨外面
停止 大転子
支配神経 上殿神経
作用 股関節の外転、屈曲、伸展、外旋、内旋

小殿筋
起始 腸骨外面
停止 大転子
支配神経 上殿神経
作用 股関節の内旋、屈曲、外転、伸展、外旋

中・小殿筋は骨盤の外側面から大腿骨の大転子に停止します。

その走行から内転以外の全ての作用があります(補助的なものを含む)。

ランニングのときの安定に影響

これらの筋肉は片足立ちになったときに浮いてる足の方へ体が倒れていかないように支えている役割があります。

歩行やランニングも片足立ちになるときがありますよね。

この筋肉がしっかり作用していれば無駄なブレを軽減できて効率がいいわけです。

片足立ちが困難な人は中・小殿筋の筋力が低下している可能性がありますね。

股関節内側の筋肉

続いて内側にある筋肉です。俗に言う内転筋群が該当します。

薄筋

起始 恥骨下枝
停止 脛骨上内側(鵞足)
支配神経 閉鎖神経
作用 股関節の内転、屈曲、膝関節の屈曲、内旋

薄筋は股関節と膝関節をまたぐ2関節筋です。

あとから出てくる縫工筋、半腱様筋と同じ停止部になります。そこを鵞足といいます。

鵞足炎はここが痛くなります。

短内転筋

起始 恥骨下枝
停止 粗線内側唇
支配神経 閉鎖神経
作用 股関節の内転、屈曲、伸展、外旋

長内転筋

起始 恥骨体前面
停止 粗線内側唇
支配神経 閉鎖神経
作用 股関節の内転、屈曲、伸展、外旋

短内転筋と長内転筋は股関節の屈曲角度によって屈曲、伸展のどちらにも作用します。(習慣的機能の転倒)

大内転筋

起始 恥骨下枝、坐骨枝、坐骨結節
停止 粗線内側唇、内転筋結節
支配神経 閉鎖神経、坐骨神経
作用 股関節の内転、内旋、屈曲、伸展

短内転筋、長内転筋、大内転筋は股関節の屈曲角度によって屈曲、伸展のどちらにも作用します。(習慣的機能の転倒)

脚が外へ逃げないように働くから楽になる

内転筋群が働けば、脚が外へ逃げないようになります。

つまり、脚の上を体幹(重心)が通過できるのでエネルギーロスが少なくてすみます

例えば、片手で傘を持つとき傘がまっすぐだと軽く感じます

しかし傘を斜めにして手から離れようとするほど、支えるためのエネルギーが必要になり腕が疲れますよね。

これと同じで、体幹が通過するのは地面についている脚に近い方が楽なんです。

そのためには内転筋がしっかり働く必要があります

股関節前部の筋肉

前の方にある筋肉です。

腸腰筋

腸腰筋は腸骨筋と大腰筋、小腰筋の3つの筋肉から構成されます。

起始 腸骨内面、腰椎前面、肋骨突起
停止 大腿骨小転子
支配神経 腰神経叢、大腿神経
作用 股関節の屈曲、外旋、骨盤及び腰椎の前傾

よく脚をあげるときは太ももの付け根を意識しましょうなんていわれますよね。

それは腸腰筋の停止部の小転子があるからと考えてください。

腸腰筋を意識して使うには筋肉の走行をイメージするといいですよ。

縫工筋

縫工筋は股関節と膝関節をまたぐ2関節筋です。

起始 上前腸骨棘
停止 脛骨上内側(鵞足)
支配神経 大腿神経
作用 股関節の屈曲、外転、外旋、膝関節の屈曲、内旋

骨盤の上外側にある出っぱっている部分が上前腸骨棘です。

そこから脛骨上内側に斜めに走行する筋肉です。

作用がややこしいですが、「あぐら」をかくときと同じ作用と覚えるといいでしょう。

大腿直筋

大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋を合わせて大腿四頭筋といいます。太ももの前面の筋肉です。

起始 下前腸骨棘
停止 膝蓋靱帯を経て脛骨粗面
支配神経 大腿神経
作用 股関節の屈曲、膝関節の伸展(大腿直筋以外は膝関節伸展のみ)

大腿四頭筋の一部です。大腿直筋は股関節と膝関節をまたぐ2関節筋です。残りは膝関節しかまたぎません。

恥骨筋

起始 恥骨櫛
停止 恥骨筋線
支配神経 大腿神経、閉鎖神経
作用 股関節の屈曲、内転

骨盤を構成する恥骨から大腿骨にかけて走行する筋肉です。

大腿筋膜張筋

起始 上前腸骨棘
停止 腸脛靱帯として脛骨上外側の粗面
支配神経 大腿神経
作用 股関節の屈曲、外転、内旋、膝関節の伸展

ランナー膝ともいわれる腸脛靱帯炎に関係する筋肉です。

縫工筋と同様に上前腸骨棘から起始し、大腿の外側を下降し脛骨に停止します。

ここをストレッチしたければ、作用と反対の動きをしましょう。

つまり股関節の伸展、内転、外旋、膝関節屈曲という感じです。

股関節後部の筋肉

続いて股関節の後部にある筋肉です。

大殿筋

お尻の最表層にある筋肉です。

起始 腸骨外面(後殿筋線後方)、仙骨・尾骨後面、仙結節靱帯
停止 大腿骨の殿筋粗面、腸脛靱帯
支配神経 下殿神経
作用 股関節伸展、外旋、外転、内転

腰が引けてるランナーはお尻を使おう!

大殿筋は脚が自由に動く時は股関節の伸展作用がありますが、大腿部を固定したときは体幹部を伸ばして直立位にします。

走るといつも上体が前かがみになってしまう人は、上半身が前に倒れているということです。上半身をしっかり骨盤に乗せるために軽くお尻に力を入れてみるといいですね。

大腿二頭筋

俗に言うハムストリングスを構成する筋肉の一つです。外側のハムストです。

起始 坐骨結節
停止 腓骨頭
支配神経 坐骨神経(脛骨神経 短頭は総腓骨神経)
作用 股関節の伸展、外旋、膝関節の屈曲、外旋

大腿二頭筋は長頭と短頭があります。長頭は股関節と膝関節をまたぐ2関節筋です。

半膜様筋

ハムストリングスを構成する筋肉の一つです。半腱様筋とともに内側のハムストです。

起始 坐骨結節
停止 脛骨内側顆
支配神経 坐骨神経(脛骨神経)
作用 股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲内旋

半膜様筋は2関節筋のため股関節と膝関節の両方に作用します。

半腱様筋

ハムストリングスを構成する筋肉の一つです。半膜様筋とともに内側のハムストです。

起始 坐骨結節
停止 脛骨上内側(鵞足)
支配神経 坐骨神経(脛骨神経)
作用 股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲内旋

半腱様筋は2関節筋のため股関節と膝関節の両方に作用します。

深層外旋6筋(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋)

股関節の後面深部にある筋肉です。

作用は股関節の外旋です(大腿方形筋は補助的に股関節内転もある)。

支配神経は外閉鎖筋以外は仙骨神経叢です。外閉鎖筋は閉鎖神経支配です。

梨状筋
起始 仙骨前面
停止 大転子

上双子筋
起始 坐骨棘
停止 転子窩

内閉鎖筋
起始 閉鎖膜内面
停止 転子窩

下双子筋
起始 坐骨結節
停止 転子窩

外閉鎖筋
起始 閉鎖膜外面
停止 転子窩

大腿方形筋
起始 坐骨結節
停止 転子間稜

まとめ

股関節周りの筋肉は骨盤から大腿骨にかけて走行している。

骨盤を安定させ、重心のブレを抑えるには股関節周りの筋肉を意識する。

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