強皮症(全身性強皮症)について簡単に説明します。
参考にしてみてください。
強皮症とは
強皮症は皮膚の硬化を特徴とする原因不明の自己免疫疾患です。
皮膚硬化は四肢末端や顔から始まります。
その後、体幹部へと広がっていきます。
硬化は皮膚だけでなく、小血管や内臓(特に消化管、心臓、肺)にも及びます。
女性に多い
20〜40歳代の女性に多いとされています。
強皮症の原因、病態
強皮症は原因不明の自己免疫疾患です。
線維芽細胞の増殖が起こり、皮膚のコラーゲン合成が促進します。
90%以上にレイノー現象が見られます。
最初はむくみから
皮膚の効果性病変は、浮腫から始まり、硬化、萎縮へと移行します。
小血管の内膜が肥厚したり、フィブリノイド変性などを認めます。
皮膚病変以外に、消化管の機能異常、関節炎、腎障害、間質性肺炎などの症状もあります。
強皮症の症状
皮膚症状
顔や四肢末端から始まり、全身へ波及します。
皮膚硬化の浮腫期は、手指、手背の腫脹から始まり、前腕、顔面、前胸部へ対称的に広がります。
萎縮期には、皮膚は菲薄化し、柔らかくなります。
仮面様顔貌を呈します。口や鼻の周囲にシワができます。
循環障害により手指末端には陥凹性瘢痕が見られます。
消化器症状
消化器では、舌小体が短縮します。
食道下部は拡張し、蠕動が低下します。
これにより、嚥下困難や逆流性食道炎を起こしやすくなります。
腹部の膨満感、便秘、下痢も出現し、吸収不良も起こします。
息切れ、乾いた咳を伴う肺線維症、心臓の伝導障害、不整脈、心不全も起こすことがあります。
また、悪性高血圧や腎障害にも注意が必要です。
強皮症の診断
皮膚の硬化性病変、手指の循環障害、肺線維症、検査所見などから診断されます。
抗核抗体は高頻度で陽性です。
びまん型の強皮症に特異的な抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70抗体)は約30%に陽性です。
また、X線で手指末節骨の骨吸収像や皮下に石灰沈着を認めます。
強皮症の治療
根本的な治療法はありません。
免疫抑制剤などで対処します。
強皮症の予後
急速に進行する皮膚硬化や内臓病変があるものは予後不良です。
肺線維症や心病変、感染症、悪性腫瘍などの合併が予後を悪化させます。
限局型の強皮症は予後良好です。
まとめ
強皮症は手足や顔の皮膚が硬くなる自己免疫疾患。
初期は浮腫からはじまり、硬化、萎縮していく。
肺や心臓、消化器にも影響が及ぶことがある。