今回は慢性糸球体腎炎(IgA腎症)についてかんたんに説明します。
参考にしてみてください。
慢性糸球体腎炎(IgA腎症)とは
タンパク尿または血尿、あるいはその両方が持続します。
さらに、しばしば高血圧などとともに腎機能障害が緩徐に進行する病態と定義される臨床症候群です。
さまざまな糸球体疾患がこの慢性糸球体腎炎の原因になりえます。
発生頻度としてもっとも高いのはIgA腎症です。
IgA腎症は、組織学的に腎糸球体へのIgAの沈着により、腎炎が引き起こされる疾患です。
症状
主にIgA腎症の症状を書いていきます。
初期には、血尿およびタンパク症を呈します。初期にはそれ以外の症状は伴いません。
検診で発見されることが多いです。
初発症状が無症候生血尿、無症候性タンパク尿である例が70%ほどです。
上気道感染などの発熱後に、肉眼的血尿を呈し、診断の契機となることもあります。
検査
検尿所見で持続的な顕微鏡的血尿は必発所見です。
頻発所見としては間欠的もしくは持続的タンパク尿を認めます。
確定診断には腎生検が必要です。
治療
IgA腎症の治療は、生活規制、食事療法、薬物療法からなります。
①生活規制:過労、過激な運動は避けましょう。
②食事療法:十分なエネルギー摂取を心がけ、重症度に応じて食塩制限、タンパク質制限を行います。
③薬物療法:高血圧を伴うIgA腎症には降圧薬(レニンーアンジオテンシン系阻害薬)を用います。活動性が高い病変に対しては、経口ステロイド療法、ステロイドパルス療法などを用います。
予後
IgA腎症は診断後20年以上の経過で20〜30%が末期腎不全へ移行します。
しかし、腎機能低下が見られない例も存在します。
まとめ
慢性糸球体腎炎(IgA腎症)はタンパク尿または血尿、あるいはその両方が持続、高血圧などとともに腎機能障害が緩徐に進行する病態。
さまざまな糸球体疾患がこの慢性糸球体腎炎の原因になりえるが、発生頻度としてもっとも高いのはIgA腎症。
初発症状が無症候生血尿、無症候性タンパク尿である例が70%ほど。
IgA腎症の治療は、生活規制、食事療法、薬物療法。