鈴木亜由子選手といえば日本の女子長距離界のエースです。彼女は名古屋大学出身という才女でもあり、まさに文武両道を地でいくランナーです。
鈴木亜由子選手は勉強と陸上をどのように両立していたのでしょうか。陸上競技は練習がものをいう競技ですから、勉強に差し支えないように練習を減らしていたとは考えられませんよね。やはり効率よく追い込める練習をしていたのでしょう。
名古屋大学はどんな練習をしていたのか気になりますよね?今回は私が名古屋大学との合同合宿に参加したときの練習メニューを少し紹介していこうと思います。ぜひ今後の参考にしてみてください。(関係者に配慮し、一部のメニューの距離やタイム設定などの詳細は隠します。ご了承ください。)
目次
名古屋大学との合宿、2泊3日の練習
私が大学生のころ、全日本大学駅伝の東海学連選抜候補選手の合同合宿に参加しました。その年は名古屋大学が主催だったので、練習メニューも名古屋大学の監督が考えてくれました。学生時代の鈴木亜由子選手を育てた監督が考える練習メニューを走ることができたというわけです。
このブログを読んでる方はフルマラソンとかを走る方が多いと思いますが、この合宿の練習メニューはマラソン向けの練習ではないので勘違いしないようにしてくださいね。でも何かのヒントになると思うので参考にするといいと思います。
監督の選手の育て方に定評があった当時の名古屋大学
ちなみに名古屋大学は国立大学ながら全日本大学駅伝や出雲駅伝にも出場経験がある東海地区の実力校です。
体育系私立大学と違い有力選手を集めることが困難なのに全国大会に何度も出場している背景には、当時の監督の育成力がズバ抜けていたことがあげられます。現在は他の大学で指導しているそうですが、そこでも素晴らしい育成力が光っています。
2泊3日、午前午後の2部練習
合宿は長野県某所で2泊3日で行われました。1日目の午後に到着して、3日目の午前の練習で終わるという感じです。
基本的に午前午後の2部練習です。朝練は各自という感じです。
1日目・午後
1日目は午前は移動に使ったので、午後練からです。
1日目は体を慣らすような感じで20キロ走でした。20キロ走といっても、長野の地形を生かした峠越えをする20キロ走なので平地を走るよりはいい練習になります。
たしかラスト5キロくらいはビルドアップで気持ちよくペースをあげて終わったように記憶しています。
2日目・午前
2日目の午前はT.T(タイムトライアル)でした。
この練習もただのタイムトライアルではなく、山道(全て上り坂)のタイムトライアルなのでクッソきつかったです。
ちなみにタイムトライアルをやる山までの移動もジョグなので、距離もそこそこ走ってます。
2日目・午後
2日目の午後は各自で調整ジョグです。午前の疲れをとりつつ、3日目の練習でしっかり走れるように調整します。朝練をのぞけば、たった4回しかない練習のうちの1回を調整に使うあたりの練習メニューの組み立て方はさすがです。
ここで疲労を残してしまうと、3日目(最終日)の練習でしっかり追い込めないまま不完全燃焼で終わるんです。疲労を残したままになることで、ポイント練習で追い込めない、ダラダラ走って終わるのってもったいないじゃないですか。有意義なポイント練習にするためのこういう調整の練習が重要ですよね。
まあとにかく疲れを残さないようにするのが大事なんだってこと。鈴木亜由子選手を育てた名古屋大学の当時の監督はそういうところの配慮もできてましたよってことです。
3日目・午前
合宿の最後の練習は変化走です。
これもかなり追い込みました。全体の距離を3等分して真ん中の距離をT.T(タイムトライアル)にしますみたいな感じの練習です。
合宿で感じた鈴木亜由子選手を育てた名古屋大学の練習の特徴まとめ
この合宿から考えられる特徴をまとめていきます。ただ合宿がこうだっただけで、普段の練習がその通りとは限りませんのでその辺は悪しからず。
全速力で走ることが多い
T.T(タイムトライアル)はもちろん全力なんですけど、変化走でもかなりペースをあげることになります。
長距離の練習は距離をふむことが必要なのでペースを抑えて走ることが多いです。しかしそうすると「速く動く、速く動かす」という感覚が鈍くなりトップスピードが落ちてしまいがちです。これを防ぐためにもしっかりとペースをあげて追い込む練習は重要です。
だからポイント練習でも設定タイム通りにならないように、ラストくらいはリミッター外して走ってみるのもありです。例えば1000m5本、キロ3設定のインターバルも最後の1本は設定タイムなしとかね。
ちなみに市民ランナーは練習方法がわからないためジョグだけになり、速く動かす感覚が鈍くなっている傾向が非常に強いです。タイムを縮めたいなら、ジョグの後に流し(ウィンドスプリント、フロート)を入れるだけでも違うので、スピードを出すことを忘れないようにしましょう。
休むことを忘れない
2日目の午後練のところで先述した通りです。
休むことも練習のひとつ。ポイント練習をしっかり走るか、疲れてボロボロの状態でダラダラ走って終わるか。どちらが有意義かは一目瞭然ですよね。
ダウンジョグが長い
名古屋大学の選手はダウンが長かったのが印象的でした。ケアに気を使っているということですね。
関係者に配慮してどれくらいやるか具体的な時間は伏せますが、強い選手はこういうところが違うんだなと感じた一面でした。これはやろうと思えば簡単にできることなので真似してみるのもいいですね。