前回に続き、ミネラルのお話を簡単に書いていきます。
簡単にミネラルとはなんぞやということを復習しておきましょう。
ミネラルとは無機質ともいいます。体の中での働きは細胞や骨を構成したり、タンパク質、ホルモン、ビタミンなどの材料になったりします。私たちの体に欠かすことのできない大切な栄養素です。
それでは本題に入りますね。
目次
ナトリウム(Na)
今回はナトリウムから書いていきます。
ナトリウムの作用は浸透圧の維持、細胞の興奮、糖やタンパク質の吸収促進などです。
浸透圧について簡単に説明しますね。簡単にいうと、ナメクジに塩をかけるとナメクジの水分が塩に持っていかれますよね?
塩が水分を引き寄せたというか移動させたわけなんですが、その時の力みたいなものと考えておくといいですね。ちなみにこの現象は物質の種類ではなく量に比例します。
つまりナメクジに塩じゃなくて砂糖をかけても浸透圧による水の移動でナメクジはしぼむってことです。
ナメクジに砂糖をかけるとどうなる? (参考 CELLS サイトへ飛びます)
給水ドリンクは薄めて飲む
なので、水分補給する場合、濃度が濃い飲み物は吸収に時間がかかりますし、体の水分が持っていかれて逆に喉が乾くことになります。
スポーツドリンクを薄めるといい理由はこうゆうことです。
女性の天敵、むくみの原因にもなる
体内のナトリウムは細胞の中には約40%、細胞の外に約50%存在しています。
基本的に細胞内の方がナトリウムは少ないんですね。本来のバランスが保てていればいいのですが、過剰摂取によって細胞外のナトリウムが増えると、濃度のバランスを保つために細胞内の水が細胞外へ移動します。
細胞内にあった水分が外へ出てしまうのでこれによりむくみが発生します。
むくみが気になる人は塩分の摂りすぎに気をつけましょう。
また、細胞内の水分が細胞外へ出るということは血液量も増えます。
そうなると血圧も高くなります。血圧が高めの方も塩分の取りすぎには注意が必要です。
腎臓が正常な状態ならナトリウムの欠乏症はまずありえないので、摂りすぎに注意しましょう。
カリウム(K)
続いてカリウムです。バナナに多く含まれています。
よく参加賞やエイドでもバナナをもらいますよね。
カリウムの作用は浸透圧の維持、細胞の興奮、酵素の活性化などです。
カリウムの98%は細胞内に存在しています。
さっきのナトリウムとは反対なんですね。
このカリウムとナトリウムの差が電位差となって、その変動によって細胞がさまざまな活動をしています。
例えば心臓が血液を送るために動けるのもこのカリウムとナトリウムのバランスのおかげなんです。
ナトリウムとカリウムのバランスが大事
だから細胞内外のカリウムとナトリウムのバランスが崩れると非常に危険です。心臓が正常に動かなくなったりします。
ちなみに腎不全のような腎臓の病気になるとカリウムがうまく排泄されなくなるので、体の中で溜まっていきます。
こうなると高カリウム血症になるのでカリウムの摂取量を制限しないといけなくなります。
硫黄(S)
硫黄はタンパク質やペプチドの構成成分です。タンパク質の構成ということは筋肉にも必要な栄養ですよね。
硫黄も体に必要なミネラルなんです。ちなみにシスチンというアミノ酸の中に含まれています。
硫黄が足りないと小さいお子さんでは発育不全になりやすくなります。
ヨウ素( I )
ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分になります。
甲状腺ホルモンは人の成長、成熟に作用するほか、脂質代謝や糖質代謝に働いてエネルギーを作り出します。
成長期にはタンパク質合成にも作用します。
海藻類に多く含まれています。欠乏症になることはまずないですし、ヨウ素の摂りすぎは健康障害を引き起こすので注意しましょう。
亜鉛(Zn)
亜鉛は酵素の補因子、DNAの合成のときに働きます。DNAの合成は簡単にいうと細胞を新しく作ることと考えましょう。
怪我を治したいなら亜鉛を!
ということは新しい細胞を作ろうとしている成長期や妊娠中、怪我の治癒のときに非常に重要になりますよね。
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過剰症では頭痛、貧血などになります。
まとめ
ナトリウムの摂りすぎはむくみ、高血圧になるよ!
スポーツドリンクは薄めて飲むと浸透圧の関係で吸収がいい