むち打ち損傷に分類がある。症状、治療などかんたんに説明

健康

交通事故などでよくあるのがむち打ち損傷です。

実はこのむち打ち損傷には分類があるのです。

ただの首の痛みだけではないんです。

今回は、むち打ち損傷の分類や症状などかんたんに説明します。

参考にしてみてください。

むち打ち損傷とは

まずはむち打ち損傷の定義を説明します。

むち打ち損傷とは、交通事故などにおける、頚椎の急激な過伸展、過屈曲による障害です。

骨折、脱臼を除く頸部の筋、靭帯、神経、血管などさまざまな損傷があります。

5つの分類

むち打ち損傷は5つに分類できます。

①頚椎捻挫型

②根症状型

③バレリュウ型(頸部交感神経症候群型)

④混合型(根症状型とバレリュウ型)

⑤脊髄症状型

では、一つずつ説明します。

頚椎捻挫型

むち打ち損傷の80%はこのタイプです。

軽度のものになります。

胸鎖乳突筋や僧帽筋、菱形筋などの損傷や椎間関節捻挫による圧痛運動時痛が見られます。寝違えの症状に似ています。

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感覚異常や頭重感、頭痛、首の痛み、上肢の疲労脱力感などの不定愁訴が主訴になります。

二次的に発症した前斜角筋症候群の症状として、前腕と手のC7、C8神経領域に感覚異常が出ることもあります。

約3週間で軽快するものから、数ヶ月持続するものまであります。

根症状型

神経根の圧迫による症状が出てきます。

神経が出てくる椎間孔という穴が圧迫されて神経が障害されて起こります。

頭部から上肢にかけての神経症状があります。咳やくしゃみ、頚椎の過伸展、側屈、回旋などによって症状が増悪します。

神経支配領域の感覚異常深部腱反射の減弱、筋力低下のほか、スパーリングテストやジャクソンテストなど徒手検査が陽性になります。

バレリュウ型(頸部交感神経症候群)

頸部損傷に際し、頸部交感神経が緊張、椎骨動脈の攣縮とその分布領域の症状として起こります。

他覚症状はほとんどありません。

後頭部・項部(首)痛

めまい

耳鳴り

視力障害

顔面・上肢・咽頭部の感覚異常

夜間の上肢のしびれ などの不定愁訴があります。

混合型

根症状型とバレリュウ症状型の混合したものです。

頭部から上肢にかけての神経症状があります。咳やくしゃみ、頚椎の過伸展、側屈、回旋などによって症状が増悪します。

さらに、神経支配領域の感覚異常、深部腱反射の減弱、筋力低下のほか、スパーリングテストやジャクソンテストなど徒手検査が陽性になります。

これにバレリュウ症状型に見られる、めまい、頭痛などの不定愁訴があります。

脊髄症状型

頚椎の脱臼骨折を合併した場合、頚椎症・後縦靭帯骨化症(OPLL)を伴う場合に発生します。

高齢者に多いです。

上位頸髄が損傷されると、横隔神経が損傷され呼吸麻痺により命に関わります。

X線では、骨損傷がないにもかかわらず、脊髄損傷を起こすこともあり、中心性頸髄損傷とも言われます。

中心性頸髄損傷では、はじめは四肢麻痺を呈し、下肢の麻痺が早く回復し、上肢は遅れて回復します。

むち打ちの治療

軽度の頚椎捻挫型は保存療法です。

初期は安静、症状に応じて副子固定や頚椎カラー固定を2週間ほど行います。

温熱療法、牽引療法も効果的です。

神経症状を伴うもの、特に根症状型や脊髄症型入院を薦めます。

まとめ

むち打ち損傷は頚椎の急激な過伸展、過屈曲による障害で、頸部の筋、靭帯、神経、血管などさまざまな損傷がある。

タイプは5つ、頚椎捻挫型、根症状型、バレリュウ型(頸部交感神経症候群型)、混合型、脊髄症状型

しびれ、筋萎縮、腱反射異常など神経症状がある時は入院も必要なこともあり

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