体調を崩したときに熱が出るというのはよくあることですよね。
今回は発熱の仕組みをかんたんに書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
発熱とは
まず発熱の定義について説明します。
人間の体温は脇の下でほぼ36〜37℃の範囲に維持されています。
この健康時の体温の範囲を超えて上昇している場合を発熱といいます。
体温調節中枢
健康なときには、体内の熱の産生と放散はバランスがとれています。
若干の変動はありますが、ほぼ生理的な範囲内に体温が保たれます。
この調節は間脳の視床下部にある体温調節中枢で行われます。
発熱をきたす原因は次のようなものがあります。
中枢性発熱
体温調節中枢自体に病変がある。または、他の疾患で中枢に影響が及ぶと発熱をきたします。
脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脳炎などがあげられます。
熱産生の亢進
基礎代謝が亢進して、熱産生が増大します。
甲状腺機能亢進症など、内分泌疾患のほか筋運動でも起こります。
熱放散の障害
高温多湿の環境では、体表からの熱放散が抑えられてしまい発熱につながります。
外因性発熱物質
風邪などの発熱がこれにあたります。
細菌、ウイルスなど病原体が感染したり、炎症や腫瘍などではさまざまな化学物質が放出されます。
その結果、体温中枢を刺激して発熱を起こします。
そのような化学物質を発熱物質といいます。
発熱すると
代謝が亢進する
体温が1℃上昇するだけで代謝が20%も増します。
これにより体力が消耗し、子供や高齢者では脱水、心不全、ショック状態になる可能性もあります。
脳に影響
また、40℃を超える発熱では脳に障害を残すおそれもあります。
発熱をきたす主な疾患
病原微生物の侵入による感染症
炎症性疾患
悪性腫瘍
膠原病
内分泌疾患
外傷
熱傷
薬剤アレルギーなど
疾患によっては特徴的な発熱をみるのでいくつか紹介します。
稽留熱(けいりゅうねつ)
高温が持続しますが、日内変動が1℃以内のものをいいます。
腸チフス、肺炎、髄膜炎などでみられます。
弛張熱(しちょうねつ)
体温が持続的に高く、1℃以上の日内変動があります。
敗血症、肝膿瘍、膠原病などでみられます。
間欠熱(かんけつねつ)
日内変動が1℃以上ありますが、低いときは正常の体温まで下がります。
敗血症、肝膿瘍、膠原病などでみられます。
周期的発熱
高熱と発熱のない時期が周期的にみられます。
マラリアによくみられます。
微熱
37℃台の微熱が長く続く場合は、バセドウ病、貧血、結核などでみられることがあります。
発熱したときの対策
発熱したらまずは解熱薬などによる対症療法を行いつつ、原因を突き止めることが必要です。
また発熱による脱水に対して、水分補給や栄養補給にも気をつけましょう。