結節性多発動脈炎について簡単に説明します。
参考にしてみてください。
結節性多発性動脈炎とは
血管炎症候群のひとつです。
主に中小動脈が侵され、全身性に臓器の虚血や出血による多彩な症状を呈します。
中高年の男性に多く発症します。
結節性多発性動脈炎の病因、病態
中小動脈血管壁のフィブリノイド変性、好中球・好酸球などの炎症細胞浸潤、弾性板の断裂、肉芽形成、血管腔の狭窄や動脈瘤などが生じます。
同一組織内に、新旧の病変が混在するのが特徴です。
結節性多発性動脈炎の症状
発熱、全身倦怠感、体重減少、関節痛、筋痛、筋力低下などの症状がみられます。
全身症状は多彩です。
皮膚症状として皮下結節、皮膚潰瘍、壊疽紫斑、網状青色斑などがあります。
心血管症状として心膜炎、心筋梗塞、心不全などを認めます。
腎症の頻度は高いです。腎性高血圧、急速進行性腎炎、腎不全があります。
また、腹部臓器の梗塞、急性腹症、下血などもあります。
頻度は低いですが、肺病変として胸膜炎や肺出血もあります。
診断
赤沈亢進、CRP強陽性、白血球増多など炎症性の所見が強いです。
好酸球、血小板も増多します。
血管造影により、血管壁の不整、狭窄、閉塞、小動脈瘤を認めます。
生検で筋型の中小動脈のフィブリノイド壊死性血管炎の病理所見があれば確定診断がつきます。
治療
副腎皮質ステロイドホルモン(パルス療法)と免疫抑制薬(シクロフォスファミドなど)。
血漿交換療法の併用もあります。
結節性多発性動脈炎の予後
未治療例では予後は不良です。
早期に診断、治療によって予後は改善してきています。
死因としては腎不全、中枢神経障害、消化管出血、呼吸不全などがあります。
まとめ
結節性多発性動脈炎は中高年の男性に多い。
原因不明の発熱、全身倦怠感、体重減少、関節痛、筋痛、筋力低下などの症状がある。
皮膚症状、心血管症状、腎症状などもある。
未治療のものは予後不良。早期発見早期治療を。