今回は脂質のことを書いていきます。
なんとなく悪者にされがちな脂質ですが、体にとって大事な栄養なので正しい知識を持っておきましょう。
目次
脂質
脂質は1gあたり9kcalです。
糖質とタンパク質は1gあたりおよそ4kcalなので、脂質はエネルギーを貯蔵する形として効率がいいのです。
エネルギーの貯蔵庫となる
自然界に多く存在する脂質がトリグリセリドというものです。
このトリグリセリドが加水分解されると遊離脂肪酸となり、多くの組織でエネルギーとして使われます。
同時に肝臓ではケトン体というものにも変換されます。
ちなみに、ケトン体はクエン酸回路という代謝経路に入ることで筋肉、腎臓、脳のエネルギーになりますが、この時、体のpHは酸性になります。
pHが極端に傾くことは腎臓に負担がかかり、代謝機能に影響を及ぼすので気を付けましょう。
細胞膜、ホルモンなどの材料にもなる
トリグリセリドのほかに、リン脂質とステロイドに分けられます。
まずリン脂質は細胞膜をはじめとする様々な生体膜の構成要素です。
私たちの体は細胞が集まってできています。その細胞の膜の成分がリン脂質なんです。
次にステロイドです。
ステロイドは、体の代謝機能を調節するためのステロイドホルモンの材料になったり、消化に働く胆汁酸の材料になったりします。
ビタミンDなどの吸収
また、ビタミンA、D、E、Kなど脂溶性ビタミンの吸収を助けます。ビタミンDはカルシウムの吸収に必要な栄養素です。
疲労骨折で悩んでいるなら、脂質の減らしすぎは禁物です。
このように脂質は体にとって欠かすことのできないものです。
しかし過剰摂取は肥満につながり生活習慣病のリスクを高めるので注意が必要です。
空腹時のエネルギー源
脂質は優秀なエネルギー源です。
主に安静時やゆっくりのランニングなど軽い運動をする時などに使われます。
脂質は糖質とは違い瞬発的に大きな力を発揮する時には使われません。
マラソンのように弱い力だけど、ゆっくり長く運動する時にエネルギーとして働きます。
脂質の代謝経路
糖質は解糖系という代謝経路で無酸素下でエネルギーを作り出し、大きなパワーを発揮することができます。
以前のブログに解糖系については触れてあるので参考にしてください。
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一方、脂質はクエン酸回路という代謝経路で有酸素下で代謝されます。
まず脂質がグリセロールと脂肪酸に分解されます。
脂肪酸はアセチルCoAというものに変換されます。
このアセチルCoAがクエン酸回路に入り、筋収縮などのエネルギーになるATPを作ります。
解糖系とクエン酸回路の違い
解糖系は無酸素運動時のエネルギー供給、クエン酸回路は有酸素運動時のエネルギー供給を行います。
このクエン酸回路はアセチルCoAと酸素があればATPを作り続けることができます。
解糖系によるエネルギー供給をおこない、全力で走った後でもいきなり生命活動は終わりませんよね?それはクエン酸回路によってATPが作られているからです。
大きなパワーが必要な全力走は少ししか持続しませんが、有酸素運動が長く続く理由はこのような代謝経路のおかげです。
まとめ
脂質も大事な栄養素!疲労骨折を治すのにも活躍するよ!
過剰摂取は肥満になるから注意!限度をわきまえよう!
脂質は優秀なエネルギー源!