ミトコンドリアはATPを作る細胞内小器官です。
人間の体は約60兆個もの細胞でできているといわれています。
その細胞の中にはミトコンドリアのような器官が存在し、さまざまな働きをしています。
今回は、細胞内小器官についてかんたんに説明していきます。
目次
細胞膜
細胞は細胞膜によって包まれています。
細胞膜は脂質、蛋白質、少量のコレステロールからできています。
脂質二重層を形成し、外側は親水性、内側は疎水性です。
この二重層には、イオンチャネルやポンプ、ホルモンなどの受容体、酵素などが存在します。
細胞内にカリウム、細胞外はナトリウムが多い
細胞膜はカリウムイオンをよく通しますが、ナトリウムイオンは通しません。
そのため通常、細胞内はカリウムイオンの濃度が高いですが、活動電位が流れるときは、細胞内にナトリウムが流入します。
細胞膜の性質
細胞膜は水、脂溶性のものは通しますが、イオン、アミノ酸、グルコースはチャネルやポンプの力を借りずには通しません。
このような性質を半透膜といいます。
ミトコンドリア
ミトコンドリアはATPというエネルギーを作り出す細胞内小器官です。
ATPがADPに分解されるときにエネルギーが放出されます。
筋肉や肝臓など、活発に活動している部分には大量のミトコンドリアが存在します。
ATPは糖質、脂質、アミノ酸から合成されます。
効率よくエネルギーを作るならカルニチン
脂質(脂肪酸)はβ酸化という段階を経由しアセチルCoAになります。
アセチルCoAだけではミトコンドリア内に入れないので、エネルギー源として使われません。
そこで、カルニチンが必要になります。
カルニチンはアセチルCoAのミトコンドリア侵入を助けてくれるのです。
つまり、カルニチンはエネルギー代謝を促進するのに重要なのです。
ミトコンドリアは増やせる
ミトコンドリアは、運動、カロリー制限、栄養によって増やすことができます。
特にアスタキサンチンを摂取すると、ミトコンドリアは増え、有酸素運動のパフォーマンスが向上するという研究結果もあります。
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小胞体
小胞体は2種類に分けることができます。
粗面小胞体と滑面小胞体です。
粗面小胞体は小胞体にリボソームというものが付着したものです。
粗面小胞体、リボソームとは
リボソームは、蛋白質合成の場です。
細胞膜に組み込まれるポンプや受容体のほか、細胞から分泌される蛋白質を作ります。
リボソームは、核の中の核小体というところで作られます。作られたリボソームは核膜孔から細胞質内に出ていきます。
リボソームは2種類に分けられます。
小胞体についている付着リボソーム、ついていない遊離リボソームです。
付着リボソームは細胞外で使う蛋白質を作り、遊離リボソームは細胞内で使う蛋白質を作ります。
滑面小胞体とは
リボソームを持たない粗面小胞体は、脂質やステロイドホルモンを作る、解毒、筋細胞ではカルシウムの貯蔵の場としての役割があります。
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ゴルジ装置
小胞体で作られた蛋白質や脂質を、必要に応じて装飾します。
糖タンパクや糖脂質を作ります。
装飾されたら蛋白質や脂質は細胞外へ放出されます。
リソソーム
ゴルジ装置で作られる、消化酵素を含んだ細胞内小器官です。
細胞が取り込んだ蛋白質や多糖類などをさらに分解し、アミノ酸や単糖類にします。
また、古くなった細胞内小器官をも消化します。
中心小体
細胞の核の近くにあり、細胞分裂のときに染色体を引きつけます。
また、細胞骨格の微小管の形成に関与します。
細胞骨格
マイクロフィラメント、中間径フィラメント、微小管に分類されます。
マイクロフィラメント
最も細い線維です。
筋細胞の伸縮など細胞運動に関与します。
中間径フィラメント
2番目に細い線維です。
細胞が潰れないようにするためなど、細胞形態(細胞内小器官)の保持に関与します。
微小管
最も大きい線維です。
ミトコンドリアや染色体の移動に関与します。
また、線毛や鞭毛など細胞運動に関与します。
核
赤血球など例外を除いて、普通、細胞には1つの核が存在します。
核膜
核も細胞膜と同様の性質を持った、核膜に包まれています。
核膜には核膜孔という穴があり、ここから核内と細胞質の間の物質交換を行います。
DNA
核には遺伝情報を担う、DNAがあります。
DNAはヒストン蛋白質と結合してクロマチンを構成します。
核小体
核の中には核小体という構造があり、リボソームが合成されていて、合成されたリボソームは核膜孔から細胞質内に出ていきます。
まとめ
細胞は約60兆。
細胞には細胞内小器官が存在する。
ATP、蛋白質を作ったり、消化したり、さまざまな役割がある。