手かざし療法、手当て療法は俗に言う民間療法のひとつです。
なんとなく怪しいイメージが先行しますが、効果を感じる人が一定数いるというのは事実です。
今回は、これら手かざし療法、手当て療法の仕組みや効果を簡単に説明します。
これから書いていくことは、あくまで生理学的な反応を述べます。それ以上でも以下でもありません。
そしてこのブログは、手当て療法をおすすめしているわけではないことをあらかじめお断りしておきます。
目次
手当て療法は効果ある?
結論から言えば、あるということができます。
効果があるというと語弊がありますが、生理学的には当然の現象と言えます。
その根拠は、触覚をつかさどる神経の働きです。
触覚をつかさどる神経には、痛みを感じにくく働きにも関係しているのです。
なので、施術者が患者さんに手を当てると、患者さんは触覚を受容します。
その触覚の刺激が、痛みを感じにくくするように働くことで痛みが軽減するのです。
もう少し詳しく
痛覚をつかさどる神経線維が刺激されると痛みがよく伝わる
そもそも痛み(痛覚)というのは、神経を介して伝達されるものです。
痛覚はAδ線維、C線維という神経線維によって受容されます。
これらの神経線維が刺激されると、神経同士の痛み刺激が伝達されます。
痛みの伝達をブロックすることがポイント
ここの神経同士の痛みの伝達を遮断できれば、痛みを感じることはなくなるのです。
痛み止めなどの仕組みはこれと同じです。
痛み止めは、ただ神経に痛みを伝えなくしているだけであり、痛みの原因そのものがなくなるというわけではありません。
触・圧覚をつかさどる神経は痛みを伝えにくくする
なぜ手を当てることで痛みが軽減されるのでしょうか。
触覚をつかさどる神経線維にAβ線維があります。
そして、このAβ線維が刺激されると、痛みの伝達を抑える働きがあるのです。
一言でわかりやすく言えば、触る刺激によって痛みは低下するのです。
さすることも痛みを軽減する
触・圧覚刺激は痛み軽減するので、さすることも痛みを抑えることができます。
「痛いの痛いのとんでいけ」は生理学的にマジで効果あり!
子供の時に腕などをどこかにぶつけた時に、「痛いの痛いの飛んでいけ」と言われながら患部をさすられたことはありませんか?
これは触覚をつかさどるAβ線維を刺激して、痛みを伝えにくくしているのです。
「痛いの痛いの飛んでけ」などのおまじないは実は本当に痛みがなくなるおまじないなのです。
痛みがないのと治るは全く違う
最後に大切なことをひとつ。
痛みが軽減されれば、病が治ったと考える人もいるでしょう。残念ながらそれは違います。
痛みがなくても、病そのものが治ったとは限らないこともあります。
痛み止めの話を思い出してください。
痛みは、神経を伝達していくもので、それをブロックさえしてしまえば痛みは感じなくなります。
ですが、痛みのそもそもの原因自体が治ったわけではないのです。
痛みがなくても、根本的に病が治癒していないケースもあることを理解しておきましょう。そして必ず専門の医師に診てもらいましょう。
まとめ
怪しい治療家を名乗る人の肩を肯定する気は全くないが、手当て療法手かざし療法はあながち嘘ではない。
「痛いの痛いの飛んでいけ」のおまじないは生理学的にガチ!