骨粗鬆症は、骨の形成と吸収のバランスが崩れ、骨の量が減少して骨がもろくなる疾患です。
今回はこの骨粗鬆症についてかんたんに説明します。
参考にしてみてください。
骨粗鬆症とは
冒頭に書いたように、骨の形成と吸収のバランスが悪くなって起こります。
通常は、骨は形成と吸収がバランスよく保たれており、骨量が一定になるように保たれています。
骨の質は正常なのですが、骨形成の低下、あるいは骨吸収の亢進によって骨の量が減少してしまうというわけです。
ちなみに、骨の石灰化障害によって骨が弱くなるものに、骨軟化症、くる病がありますがそれとは別のものです。
寝たきり、認知症の原因になる
骨粗鬆症になると、弱い外力でも骨折しやすくなります。その結果、寝たきりになり、認知症のリスクも高くなってしまいます。
支援や介護なしでは、生活がままならなくなることがあるので、予防と早期の治療がとても重要なのです。
骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症は大きく2つの原因があるとされています。
①骨代謝に関係するホルモンや代謝異常によって起こるの続発性骨粗鬆症。
②先行する代謝異常がなくても起こる原発性骨粗鬆症。
2つ目の原発性骨粗鬆症は、閉経後や高齢者に起こる退行性骨粗鬆症と、原因不明で若い人に起こる特発性骨粗鬆症(妊娠後骨粗鬆症)に分けられます。
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続発性骨粗鬆症
原因疾患は、甲状腺機能亢進症、性腺機能不全、クッシング症候群などの内分泌疾患、ステロイド剤投与、過度の安静やギプス固定などの不動化、先天性の骨形成不全症、関節リウマチ、糖尿病などがあげられます。
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原発性骨粗鬆症
閉経後に起こる閉経後骨粗鬆症と、高齢者に起こる老人性骨粗鬆症が頻度が高いです。
脂肪が少ない痩せ型の女性に多いとされています。
骨粗鬆症の症状
徐々に骨が弱くなる疾患なので、明確な症状はなく、腰や背中の重い感じや痛みなどがみられます。
また、通常なら骨折のしようがないほどの弱い力でも骨折を起こします。くしゃみでも骨折します。
骨折で多いのが、脊椎圧迫骨折、上腕骨外科頸骨折、頭骨遠位端部骨折、大腿骨頸部骨折などです。
検査
脊椎のX線画像で、骨の萎縮度を判定します。骨密度が若年成人平均値(YAM)の70%未満が骨粗鬆症と判定されます。
また、手の骨のX線写真を用いる方法(DXA法)も一般的です。
超音波を用いた踵の骨の検査をおこなうこともあります。
治療
薬物療法として、カルシウム剤、活性型ビタミンD3、ビタミンK製剤、ビスフォスファネート製剤、女性ホルモン製剤が用いられます。
しかし、女性ホルモン製剤(エストロゲン)は、乳がんや子宮がん、心臓発作、脳卒中のリスクを高めるため最近は使われなくなっています。代わりにこれらの副作用が起きない選択的エストロゲン受容体調整薬が使われています。
生活指導が重要
最も重要なのは生活指導になります。
カルシウムやタンパク質の摂取と適度な運動を心がけましょう。
カルシウムの吸収をよくするビタミンDは、紫外線によって活性化されます。そのため少なくとも30分程度は日に当たって散歩するといいです。
まとめ
骨粗鬆症は骨の形成と吸収のバランスが崩れ、骨の量が減少して骨がもろくなる病気。
骨粗鬆症には、ホルモン代謝異常などによって起こるもの、加齢によって起こるもの、妊娠によって起こるものなどがある。
生活習慣を見直して予防しよう!カルシウムとタンパク質摂取、適度な運動を心がけよう!