皮膚や粘膜などの様子がいつもとおかしい、変色がある場合は何かの疾患が関係しているかもしれません。
今回は、皮膚の変化から考えられる疾患をいくつか紹介します。
参考にしてみてください。
皮膚の色調の変化
蒼白
高度の貧血患者にみられます。
下まぶたの裏や口腔粘膜、爪も蒼白になります。
ショック状態で循環不全があるときにもみられます。
チアノーゼ
皮膚、粘膜が暗い赤紫色を呈します。
先天性心疾患(ファロー四徴候など)、肺疾患、右心不全、心臓弁膜症、末梢循環不全、静脈血栓症などでみられます。
毛細血管内の還元ヘモグロビンの増加が原因です。
黄疸
血清中のビリルビン濃度が増加し、皮膚が黄色になった状態です。
白目の部分や口腔粘膜も黄色になります。
肝炎、肝硬変、肝がん、胆石症、胆道炎など肝胆道疾患や溶血性貧血でみられます。
紅潮
発熱や精神的に興奮した状態でみられます。
皮膚の性状の変化
浮腫(むくみ)
皮下組織に水分がたまった状態です。いわゆるむくみです。
足に多くみられます。指で圧迫すると指のあとが残り、しばらく消えません。
全身性に浮腫がみられる場合は、心疾患、腎臓病、肝硬変、栄養不良、高度の貧血、内分泌疾患などが疑われます。
発疹
発疹にはさまざまなものがあり、局所性だけでなく全身性症状の一部分症であることも考えられます。
紅斑は肝硬変、全身性エリテマトーデス(SLE)の蝶形紅斑があります。
紫斑は再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、白血病、血友病などがあります。
また、感染症で特有の発疹がみられるものあります。
麻疹では口腔内の白いコプリック斑、風疹では全身性の紅小斑があります。
また帯状疱疹、スピロヘータ感染症、腸チフスなどもみられます。
レイノー現象
寒冷にさらされたときに、四肢末梢の血流が現象し皮膚が蒼白・チアノーゼになり、その後、逆に充血や発赤がみられるものです。
強皮症など膠原病、閉塞性動脈疾患、神経血管症候群などでみられます。
また原因不明のレイノー病でもみられます。
くも状血管腫
肝硬変でみられます。
顔面や前胸部にクモが足を広げたように細小血管が拡張して見えます。
まとめ
皮膚の色調や性状の変化は病気のサインかもしれないから注意しよう!