朝起きたら、首が痛くて頭を動かせない!
今回は寝違えについて、原因、症状、治療法などをかんたんに書いていきます。
参考にしてみてください。
寝違えとは
寝違えとは、急性疼痛に加えて、頚椎(首)や肩甲骨の運動性が一過性に制限された状態です。
寝違えの原因
長時間の不良姿勢、寒冷、疲労などが基盤になって起こります。
そこで不用意に首をひねったり、肩甲骨を動かしたりしたときに一過性に筋痛が生じます。
また、頚椎の進行性病変や、炎症性の疼痛による場合もあります。
寝違えの症状
各方向に頚椎の運動制限が見られます。
上を向いても、横を向いても、下を向いても痛いといった状態です。
特に、回旋や側屈が制限されます。
疼痛は、僧帽筋、菱形筋、胸鎖乳突筋、肩甲上神経部などにみられ、圧痛部に小さなしこりを触れることもあります。
痛みは、首だけでなく肩甲骨の間のところまで放散することもあります。
寝違えの治療法
圧痛部の冷却、または温熱療法、手技療法、理学療法を行います。
頸部や肩甲帯の軽い運動も効果的ですが、肩周り以外は初期の急性期には控えた方が無難です。
予後
寝違えは予後は良好です。数日から数週間で全快します。
たまに数ヶ月続くものもあります。
寝違えと似た症状のもの 鑑別疾患
頚椎椎間板ヘルニア、悪性腫瘍の頚椎への転移、リンパ性(炎症性)斜頸、環軸関節回旋位固定 など
頚椎椎間板ヘルニアでは、しびれ感や感覚障害、脱力感や細かい指の運動に障害がみられることがあります。また、膀胱直腸障害も起こることがあります。
リンパ性(炎症性)斜頸は、小児に多いです。先行する発熱や喉の痛みがあり、その後に首が傾いてしまいます(斜頸)。抗菌薬や消炎鎮痛薬を投与し、喉の炎症の消失とともにほとんど治癒します。
環軸関節回旋位固定は、第1頚椎と第2頚椎の正中環軸関節の亜脱臼です。
小児に多く、外傷や咽頭・扁桃の炎症が原因で起こります。運動時痛と斜頸がみられます。
捻挫や咽頭炎が原因であることが多いので、消炎鎮痛薬や抗菌薬で対処します。ときに入院のうえ、頚椎牽引を行うなどします。
まとめ
寝違えとは、急性疼痛に加えて、頚椎(首)や肩甲骨の運動性が一過性に制限された状態。
疼痛による頚椎の運動制限が見られる。特に回旋と側屈。
圧痛部の冷却、または温熱療法、手技療法、理学療法を行う。急性期以降の頸部や肩甲帯の軽い運動も効果的。
小児は斜頸などと鑑別が必要。