細胞外液、すなわち組織液やリンパ液が組織や臓器に貯留し、腫れた状態を浮腫または水腫といいます。
俗に言う「むくみ」で、指で圧迫して離してみても凹んだ状態が持続します。
むくみの原因をかんたんに書いていくので、むくみの解消のために参考にしてみてください。
浮腫の原因
静脈性
静脈の流れが妨げられるとむくみます。
この場合、下肢のむくみが多いです。
静脈血栓症や静脈閉塞などの疾患も原因になります。
血管透過性の亢進
炎症による浮腫はこれが原因です。
毛細血管や細小血管の内皮細胞が刺激を受けると、血管壁の透過性が亢進します。
血漿タンパク質が血管外に漏れ出して、組織液の膠質浸透圧が高くなり、浸出液が組織内に貯留します。
炎症反応で分泌されるヒスタミンやキニンといった血管活性物質が関与します。
毛細血管圧の亢進
うっ血によるむくみに代表されます。
心不全や肝硬変で起こります。
心不全では、全身、特に下半身に浮腫が生じます。
肝硬変では、肝臓への門脈血液の流入が阻害され、門脈圧が上昇(門脈圧亢進)して腹水が貯留します。
膠質浸透圧の低下
血液中のタンパク質の減少が原因です。
血液の膠質浸透圧が低下し、組織から血管へ組織液が行かなくなます。
そうなると、組織内に組織液が貯留したま間になります。
飢餓や栄養障害における低タンパク血症、肝硬変など肝障害による低アルブミン血症で起こります。
また、腎疾患(ネフローゼ症候群)で、尿中に多量のタンパク質が喪失したときにも認められます。腎性の浮腫は顔面、特にまぶたの腫れが特徴です。
リンパ管閉塞
リンパ管が閉塞することで、支配領域組織にリンパ液のうっ滞が起こり浮腫が発生します。
乳癌の手術でリンパ節を切除した場合は上肢に浮腫が生じます。
腫瘍や寄生虫疾患でもリンパ管閉塞が起こります。
内分泌疾患
甲状腺機能低下症では、粘液水腫がみられます。
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薬剤性浮腫
薬によっても発生することがあります。
浮腫の転帰
浮腫は原因がなくなれば、吸収されて元に戻ります。
長期化した浮腫は、線維化をきたし、硬化や肥厚が残ります。
まとめ
浮腫の原因はいろいろある。
静脈性、血管透過性亢進、毛細血管圧上昇、膠質浸透圧低下、リンパ管閉塞、内分泌疾患、薬剤性浮腫。
原因を改善すれば、浮腫はなくなる!